2015年6月24日

Kと走る。(2)


さて、今日はこれからどうしようか。
久しぶり、たぶん5,6年ぶりの二人でのツーリングなのだが、行き先を全く決めていない。

「まずは、支笏湖をぐるっと回って、美笛峠を越えますか」
「定番だけど、そうしますか」

とりあえず、走ることにした。

Kの乗るヤマハTT250R RAIDは空冷単気筒、249ccエンジン。
最高出力30ps/6800rpm
最大トルク2.8kgm/7000rpm
燃料タンクは16リットル入る。

僕のV7は最大出力50ps/6200rpm、最大トルク6.0kgm/2800rpm

なんと、ツインエンジンの僕のバイクの方がずっと低回転型。
ライトシングルは思いの外高回転型で、回すと結構速いのだ。

10:28 支笏湖
二人ともそんなに飛ばさないこともあるが、2台が一緒に走るのに困るような場面は今回なかった。

250シングルオンオフバイクと、750ツインロードバイクの、いわば異種格闘技的組み合わせでも、問題なく楽しめる。

10:28 支笏湖
支笏湖の美しい風景を楽しみながら走り、美笛峠を越えて、喜茂別方向へ走った。

途中道の駅「フォーレスト大滝」の隣にある、「きのこ王国」に寄って、早めの昼食にした。
11時くらいだから、確かに早い。

実はきのこ王国、寄るのは初めて。
100円のきのこ汁をはじめ、けっこうリーズナブルな値段で庶民的な飯が食える、というところだ。
店舗は結構大きく、店内は、雑然とした大きなドライブインと屋台街がドッキングしたみたいな、そんな感じだ。

ハーブ豚の豚丼をたべたが、おいしかった。

お客さんも多く、いつでも混んでいるが、待たされることもなく、北海道的ファーストフード大衆店という感じ。

ここで僕は既に仕事の疲れが残っていて結構しんどいのが発覚。
少しゆっくりした。

さて、そこから国道276を喜茂別方向へ。

12:22 国道276 喜茂別町
このルート、たいしたことはないのだが、雰囲気がとてもよい。
絶景というわけではない。
しかし、どこか心温まる風景が続く。

流していて、とても気持ちいい道だった。

12:34 国道276 喜茂別町

国道230との短い共有区間を過ぎると、羊蹄山が大きくなってくる。
ここも順調に走る。

夏の風が気持ちいい。

Kの走りは相変わらず、風景とケンカしない。
その木立、その街並み、その畑、それらと調和する速度、しかし、埋没しない速度、
それで走って行く。

これはなかなか真似できない。

Kは一日中でも、そうやって走って行くのだ。

12:40 国道276 京極町 
国道276号線は、羊蹄山の東側を北上していく。
後ろに見えているのは尻別岳。
やさしい緑の匂いがする。

12:43 道道784号 京極町
京極町まで行ったら、東に折れて道道784号線を行く。
行き止まりの道だが、特別な風景が待っている。

12:43 道道784号 京極町
さっきの写真から500m。
振り向かないと気づかないが、羊蹄山がきれいに見えている。
カメラのひもも風になびいて盛大に映っている、これは失敗作だね。
このあたりになると、交通量は皆無。
もう少し進む。

グーグルマップにも乗っていない道が、道道784の行き止まりにある。
左手にゴミ処理場が見えてくるところで、右後方へ上っていく、狭い道だ。

最初から簡易舗装のこの1車線の道は、途中でダートになり、また深い水たまりもある曲がりくねった坂道で、2kmくらいで終わるのだが、ツアラーとか、大型バイク、ビギナーにはお薦めできない道だ。

ゆきかぜ号のダート走破能力はテスト済み。かなりOKなので、踏み込むことにした。
むろん、TT250R RAIDのKにとっては、むしろ得意のステージだ。


さて、その道をしばらく行くと、見覚えのある風景、いつもの場所に出る。

13:01 京極町 大成牧場 望羊の丘
そう、「春の羊蹄山を見に行こう」でも立ち寄った、望羊の丘だ。
13:02 京極町 大成牧場 望羊の丘。 すっかり雪が消え、夏の景色になっている。
良く晴れた今日は、風も強い。
ごうごうと風の音がしている。
それでも大風というほどではないのだが。

これくらいの強さの風は、潔く、気持ちよく感じる。

風よ吹け、風よ吹け吹け。だ。

13:05 京極町 大成牧場 望羊の丘
KのTTと、僕のゆきかぜ。
僕がやや回り込むようにしてフロントを道の内側に向けるのに対し、Kはフロントからバイクを奥に入れる。
僕は重量級バイクと暮らした経験から、バックで上り坂にならないように止める癖がついている。
一方、軽量なオフバイクばかり乗ってきたKは、そこにはこだわらない。

車種も止め方もばらばら。
走るリズムも、本来違う。

でもその違う二人が一緒に走るのが面白い。
早い遅いも、優劣も、どうでもいい。

自分が速いシーンでは相手のペースに合わせて走ればいい。
自分が遅いシーンでは、あくまでマイペースで走り、相手を待たせればいい。

互いに走りが気持ちよくなるように、走りをセッションしていく。

それなりに経験やスキルは要るが、特別な技や、すごいスピードなど必要ない。
気持ちよく、安全に走る。

そして風景の中を走るその実感を、いつも忘れないようにして。
いつも全身で感じるようにして。

それが、ツーリング。
だから、走っているだけでも楽しい。

一休みしたら、また走り出そう。
ここは居心地良くて、もう少しいてもいいなと思える場所だけれど。

また、走り出そう。
Kはツーリング中、あまり口数が多くないが、なかなかに楽しんでいるようだ。
それは、僕も同じだ。

(つづく)

2 件のコメント:

  1. 国道276号を喜茂別方向へ進む途中、国道453号との分岐から3キロ少々進んだあたりで左手側にかなり目立たなく道道695号への入り口があります。自分は前に鈍足車がいるときなどに使う道路なのですが非常にのどかで交通量は皆無に等しいおすすめの道路です。(知っていたらごめんなさい)
    ここ数日は曇天続きで晴れている写真を見るとバイクに乗りたくなってしまいました。

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    1. 緒崎松蔵さん、こんにちは。
      道道695号線ですね。何回か通ったことがあって、今回も行こうと思っていたのですが、
      入口を通過してしまいました。
      でももう、通ったのは、5年以上前だったと思います。
      今はどんな道になり、どんな風景になっているでしょうか。
      今度通った時は、ぜひ入ってみたいと思います。
      ありがとうございます。

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