2015年9月16日

マラソンと通勤ライド。


学生時代からの友人が、数年前からマラソンを始めた。
最初は5kmも走れなかったのが、徐々に走れるようになり、ここ2年は北海道各地のマラソン大会に、年間4,5本参加している。
それも、バイクで会場まで行き、近くのキャンプ場にテントを張ってキャンプし、翌日大会を走って、それからバイクで走って帰ってくるのだ。
僕は驚きあきれてしまう。
有り得ない。その体力は何なんだ。
だいたい彼は高校時代は吹奏楽部で、大学時代は天文研で、運動にはほとんど縁のなかった人間だ。
唯一、バイク、特にキャンプツーリングにおいては、達人の域に達している以外は。
それが、こんなにマラソンを楽しんでいる。

聞くと、競技としてあまり勝ちにこだわり、自分を追い込むことはしないそうだ。基本は楽しく走る。
でも、彼に言わせると、マラソンの距離設定は実に絶妙だそうで、35km走れるというのと、42.195km走れるのとの間には、厚い壁がある。楽しいだけでは、壁は越えられず、自分を追い込まねばならない。しかし、完走するだけなら、いつかその壁は越えられる。そういう手ごたえが、走る度に手繰り寄せられるのだという。
そして、完走できる頃には、じゃあ次はどれくらいの速さで走りきれるか、という自分のポテンシャルへの興味がとても湧いてくるらしい。これが「勝つ」ことを義務づけられると、こういう楽しみ方はできない。
そして、次の目標、次の目標と、徐々に高まって行く。これが、40代も後半になっていても、年々向上することが実感できるのが、とても楽しいのだと言う。

また、走ること、走り続けることで、自分の身体がよく分かるようになると言う。
通勤で歩いていても、地下鉄に乗っていても、今日は体のキレがいいとか、少し動きが重い、とか、微細な変化も感じられ、動きの質を向上させたり、怪我を予防したりできるようになってきたのだという。

そして、いじめ過ぎなければ、中年太りはもちろん解消されるし、ご飯はおいしいし、しかも化学調味料とか、変な添加剤が入ったものがおいしくなく感じられ、自然に近いもののおいしさが体にしみるように感じられるという。
いいことずくめなのだ。

僕は驚き、感心する。
すごいな。いいな。

じゃあ、僕も始めるか?

と言えば、今はノーだ。
仕事に追われ過ぎているのもあるかもしれないが、ぼくはたぶん根本的に訓練が嫌いなのだ。
トレーニングが好きじゃない。
体操も、筋トレも、やってて楽しいと思えないし、続かない。
頸椎ヘルニアを患って以来、少しやってはいるが本当に最小限で(たぶん不足してる)、中年太りはむしろ進んでいる。
困ったオヤジだ。

そんな僕でも、通勤中にオイルを交換したゆきかぜのエンジンの振動の質の違いや、開け始めのあのすいっと力がみなぎってタイヤに伝わり、アスファルトを柔らかく力強く蹴り出す、あの感覚の微妙なちがいは、わかるし、楽しめる。

ウィンカーを治してもらって、右折時にスイッチに右に押したと同時に点滅始めるそのレスポンスの気持ちよさに、よろこびをかみしめてはいる。

シフトダウンがノーショックで決まった時の快感は、それは通勤中だろうが、超気持ちいい。


不思議なものだ。

身体を絞らないと、健康によくないなあ…と思いながら、運動ができず、
それでも通勤ライドに喜びをいろいろ発見して幸せを感じることは十分にできて、
特に無理して考えなくても、今日の通勤ライドのテーマは…、などと決めていたりもする。

せめて通勤中に腹筋と背筋をもっと使うような車上ストレッチなどを工夫してみようか…。

たぶんしないな。

我ながら、困ったものだ。

6 件のコメント:

  1. こんばんは、モーターサイクルスポーツですからただ乗っているだけでも五感を刺激していますよね。僕はもうリハビリのために乗っているようなものです。動物が走るときは、獲物を捕るときか危険から逃げるとき以外にはないと思いますから・・・。ただ走る人間はこれ不思議かな。

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    1. 小杉さん、こんにちは。
      なるほど、必要ない時は走らない…と。そういうふうにできているのかもしれませんね。そして野生の状態ではその必要が結構あるのでしょうか。
      車に乗って、ビルの中で一日12時間以上も毎日働いているなんて、動物世界から見れば異常も異常なのかも。
      走ることそのものがスポーツ。
      そう思います。
      やっぱり楽しいです。バイク。

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  2. 走る もイイけど、関節を痛めないように。

    早歩きがイイよ。1kmを10分くらいで。
    東京だと毎日なんですが~w

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    1. tkjさんこんにちは。
      おお、東京まで都会になると、逆に野生化するのでしょうか。
      東京の人はみんな早歩きだと、確かデータ上もそうなってましたね。
      走るのやりすぎると関節を痛める場合もありますよね。
      だから自転車がいいらしいのですが、
      だったらバイク…となってしまうので、いつまでも腹が引っ込まないのか。
      平忠彦氏も年齢相応に恰幅がよくなられたし、私も50代も半ばに差し掛かっているのだから
      別に腹ぐらい出るよ、とも思いたいのですが、
      職場の自転車通勤の人は誰ひとり腹が出ていないのです。
      ああ、やはり運動は必要なのか。…と、しみじみな秋です。

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    2. おはようございます。
      ワタシも大阪にきて、公共交通機関をつかうのでいやが上にも人波速度で歩く、
      階段のぼりおり結構多い、、で1年足らずで足は強くなりました。
      体重や測定値より、体調を重視して、50代はすごせればと思います。
      地場の旬のものをいただいて、入浴をしっかりとする。
      その日の疲れをその日に取り、お休みの日は仕事を遠のける。
      できればいいんですが、、定年近くになった今でも
      そんなの無理です、許してもらえません(笑)
      苦難の日々から(笑)編み出した 簡単にできる首肩ストレッチと足裏ツボ押しマッサージは
      就寝前の習慣として自己流ですがず~っと続けています。なかなか効きますよ~


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    3. kaoriさん、こんにちは。
      あ、やはり生活の中で運動をして(せざるをえなくして)行くのが一番自然でいいのかもしれませんね。
      仕事は年々量も種類も理不尽さも増してきています。厳しいなあ…。
      もう少し、頑張ります。
      僕も何か習慣化できるように考えてみますか。…できればいいのですが…^^;)

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