あっという間の驟雨。過ぎてしまえば、千歳の街は晴れていた。
千歳川をさかのぼって、支笏湖へ向かう。
千歳川は、鮭が上ってくるくる川だ。鮭のふるさと水族館では、千歳川の流れの中にガラスの壁面が面してあり、水中を覗くことができる。
千歳川は北上して石狩川へ合流する。
流れている姿が美しい川のひとつだと僕は思う。
写真を撮ったところの後ろにカーブミラーが。飛び石でところどころ凹んでいる。
自分を撮ってみたのだけれど、雨合羽の下だけを履いて、上は脱いでいるという、
中途半端な格好だ。
まだ降るかもしれないと、履いていたのだが、ここで脱ぐことにした。
濡れたウェアが走行風で乾かされていく。
支笏湖に近づくにつれ、木々の切れ間からの陽射しが強くなってきた。
湖はきっと晴れているのだろう。
朝、4時間前は今にも降りそうだったのに。
湖面が見えてきた。やはり、外輪山の上は雲がかかっても、湖の上はすっきり晴れている。
走行中の見返り写真。
空が反射して湖面の青が濃い。
樽前山と風不死岳の山頂に雲がかかっている。
(カメラが不調で画像中央付近に色の濃淡が変になるリングが発生してしまっているけど…。)
この空は、もう、秋の色だ。
夏を見送ることができれば…と少し思っていたのだが、夏の驟雨の後、空にはもう秋が来ていたようだった。
車列に従ってちょうど制限速度で流す。
前方の恵庭岳が大きくなってきた。
ポロピナイの駐車場。
浜には家族連れ。
水遊びの親子もいた。
風が出て、湖面に少し波が立っている。
夏が終わる。
駐車場のバイクは、ゆきかぜと、CBR250Rが1台。
他にバイクはいなかった。
雨に打たれた疲労が、日々の疲れにさらに乗って、僕の全身に重くのしかかり始めている。
腰は悪化しなかったが、頭痛は結局軽いまま、消えることはなかった。
若い頃は、いつでも走っていればハッピーだった。
嫌なことも飛んでいき、体調でさえ、走っているうちに改善したりしたものだ。
今、それはなくなっている。
もう、走るだけでは、改善しない。
年齢か、それとも、暮らしの中で僕が変わっていったのか。
いずれにしても。
ひとつの季節が終わり、次の季節が始まっている。
明日からは、きっと秋。
夏の終わり。
ゆきかぜと夏を見送り、秋の中を、走って行こう。
(「夏の終わり」 完)
結構、走りましたね!途中の雨が無ければ
返信削除いいツーだったのではないかと。
最後を支笏湖経由にしたのは、判りますね~♪
私もグッチで町を走りたく無いです。
次は体調を整えて走りたいところです!
いちさん、こんにちは。
削除実はこの後、札幌市街地で自宅まであと数キロのところでもう一回土砂降りにあったのですが、
それは省略いたしました(^^;)。
この土日は全然走れませんでした。
体調を整えるように頑張ります。
こんばんわ~
返信削除雨に濡れたりと大変でしたが、最後に美しい支笏湖が迎えてくれてますね~
豪雨に打たれて にやりと笑うところが樹生さんらしい一面。
GPZにもお仕事帰りの豪雨の記事がありまして、うふふと思いました。
長いことバイクに乗る人ってみんなこういうところがあるのですよね。
このあたりがバイク乗りの骨組みに欠かせない一本だとおもいます。
これからどんどん空が高くなっていきそう。
ご自愛くださって、秋の走りも是非に。
kaoriさん、こんばんは。
削除なぜか状況が厳しくなってくると、妙に喜ぶところがライダーにはあるように思います。
もちろん、本当に危険ではまずいわけですが、その手前、自分が試されるような厳しさには
何か充実感を感じてしまうのは、これは何なのでしょうか。
しかし、若い時はとにかく、自制しながら、状況を判断し、ベストを尽くす、という姿勢は
走り続けるためには必要に思いました。
引き返したり、走りに出ること自体をやめたり…。
そうしながら、走ることを続けていく方を大事にする、
そんな段階にもうすっかり入ってしまったようです。
仕事が厳しく、心身ともにかなりやられているのですが、
だからこそ、この秋は季節とともに北海道の大地を走りたいと思います。