ずっと、仕事に追われ、走り続けていると、突然、すべてのエネルギーが切れたように何もできなくなる時がある。それは、典型的な働き過ぎによる鬱病の初期症状だ。早めに手を打ち、適切に休養しないと重症化する。
わかっていても、仕事は待ってくれず、しかも、それが責任ある仕事だと(責任のない仕事などというものはそもそも存在しないが)、手を抜くことができずに、やがてオーバーワークで倒れていく。
そういう事例を、たくさん知っている。
自分も、かなり危険なライン上を、もう何年も走っているような気がする。
なんとかなっているのは、周りの理解と、家族の支えと、オートバイのおかげだと、自分では思っている。
それでも僕は良い方だ……。それは本当で、僕より厳しい条件で働いている人は、僕の職場でもたくさんいる。でも、その言葉が、自分の苦しさを訴えにくくする。
みんな、そうやって倒れて行ったのだ。
もう、年齢的にも機関車のような働き方はできないのだと、しっかり自覚すべき時。
バイクを替えたように、仕事の仕方も変えなければらないのだ。
鉛のように思い、身体と心。疲労を抱えたまま、日曜日、走りに出た。
「春の丘を、見に行こう。」