2016年5月4日

春の羊蹄山に挨拶を。(2)

国号230と276の交差点からすぐの羊蹄山と道がきれいな場所、そこを過ぎて国道276を少し行くと、道道257との分岐を過ぎて、喜茂別方面から来た道と考査する十字路にでる。
そこを左折すると羊蹄山のふところへ入って行く。
道道97は、羊蹄山の南から東を通って一番山の近くを通る道。
今日は道道97の一本外側。農道を行くことにした。
2016/5/1 11:17



去年の秋、アスパラガスの黄葉がきれいだった、あの場所から。


これはその時の写真。ここから200m右側(先方)から今回は撮った。

麓の雪は完全に消えているが、上に登るにつれて、雪が深くなっていくように見える。
冬は山頂から麓に駆け降り、
春は麓から、山頂へと駆け上がる。
ここでも、土の匂いがした。
でも喜茂別のさっきの畑よりも少し固い匂いだ。
まだ、土の温度が上がっていないようだ。
それでもフキノトウがあちこちに芽を出していた。

農道を北上すると、やがて京極町の市街地の裏手を抜けて、道の駅「名水の郷きょうごく」の手前の橋のたもとにでる。
道道478とT字路でぶつかったら左へ。
羊蹄山の北側へ回り込む。

今日も既に道の駅の駐車場は一杯だった。バイクも数多く止まっているようだ。
横目で見ながら、道道を行く。

道なりに尻別川沿いを走り、ラフティングセンター前を抜けて、羊蹄山北麓の直線に入ったら、しばらく行って、上り坂の手前の十字路を右折。北へ向かう。
名もない道だが、一応の2車線。
畑の中を行き、左へカーブ切りながら河岸段丘崖を下ると、今度は右にカーブして尻別川の橋を渡る。

2016/5/1 11:32
渡ると川の堤防沿いに砂利道が伸びている。
今日は時間がないので、入口だけで我慢。

川の流れる音が聞こえ、鳥の鳴き声も聞こえる。美しい里だ。

2016/5/1 11:31
北側からの羊蹄山はどっしり見えるのだが、ここでは少しスリムに見える。
角度によって微妙に姿を変える羊蹄山は、どこから見ても、いつでも新鮮だ。
見飽きるということがないのは、どうしてだろうか。

2016/5/1 11:31
北斜面は山の襞が猛々しく見える。
厳しい山の姿を垣間見させる羊蹄山だ。
ニセコや京極から見る羊蹄山と全然表情が違うことに、あらためて驚いてしまう。

2016/5/1 11:37
その道が国道276に合流するところで、短く旧道が残っている。
数百メートルですぐに国道に合流する旧道だが、暮らしと道の息吹を感じさせてくれる、趣深い道だ。
ほぼ同じ角度の羊蹄山も、畑越しに見上げると、また、違った感じになる。
そう、僕は、田園風景が好きなのだ。

自然は厳しくて、美しいが時として怖い。
都会には、あまりなじめない。でも田舎の地縁血縁の濃いコミュニティーも、本当は苦手だ。
結局、どこにいても僕は、ここが自分の居場所だと言う確信が持てない性分らしい。
それはもちろん、自分のせいなのだが。
だからか、バイクに乗って、移動している時が一番自分らしい感じがする。
バイクに乗る前は自転車で。それは感じた。
どこにも居場所がない。
移動中だけが、自分のいるべき場所に戻ってきた感じがする。

そして、できれば田園風景の中を、走っていたいのだ。

なんてわがままな感性だろう。
どこかが壊れているのではないかと思うのだが、物心ついた、そう、中学生くらいの時から、僕はいつもそんなふうに感じていたのだった。

2016/5/1 11:42
国道276へ出たら左へ、1kmほど進んだ十字路をまた右へ、北上する脇道に入る。
そこを北上すると、1kmも進まないうちに、河岸段丘崖をカーブして上る。

段丘崖の上、道がカーブするところは、南に向かって見晴らしがいいところだ。
今日は特にニセコ連峰が大きく、はっきりと見えていた。

白く、青く、美しい。
山々は美しく、水は清く。
風は透明に。

旅の素晴らしさよ。
ゆきかぜと二人。

2016/5/1 11:42
羊蹄山に挨拶を。

今年も僕とゆきかぜの旅を、見守ってください。

今年も何回か、貴方の麓を走ることになると思います。
日常の中で、破綻しそうになった時、爆発しそうになったとき、あなたを見に、またゆきかぜと訪ねて来ることでしょう。

旅をせずには、生きていけない僕ら。

走る宿命を背負ったオートバイと、走らずには止まっての日常が営めない壊れた人間のコンビが、時折あなたを見上げに来ることを、お許しください。

空の下、道の上、風景の中を、今年も走って行こう、ゆきかぜ。

風が体を吹き抜けるように感じる。
全部の身体が、風の吹き抜けを受けて、凝りや澱が解けたかのように、思えたら、それは、旅の祝福。
風と、空と、雲と、羊蹄山の祝福だ。

その至上の幸せをかみしめて、札幌の街へ帰って行こう。
また働ける。
もう少し、働こう。
守るべき家族が、僕にはいるのだから。
                              (春の羊蹄山に挨拶を。完)

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