2016年5月21日

春の丘、春の愁い。(6)

ツーリングの終わりは、2つある。
一つは、自宅に帰ったとき。これが本当のゴールなのだが、もうひとつ、ツーリングの途中で、ここからは帰り道だと、わかるときがある。
今回のツーリングは五稜の丘で、その終わりを感じた。
さあ、帰ろう。ここからは、帰り道。
無事に、安全、家に帰らなければならない。
本当はここからがツーリングのきびしい道のりの始まりだ。

2016/5/15 11:25
五稜の丘を下りながら、行くと、もう一度、風景がひろがるところに出た。
また、写真を撮ってしまう。
10分も走っていないのだが。

2016/5/15 11:26
北西の丘展望台が見える。


2016/5/15 11:26
こちらは大雪山系、旭岳の方か、一段と高い山が遥かにそびえている。
美瑛や、富良野のような丘の風景は、実は北海道に数多くある。
違いは、その丘の向こうに広がる山々の風景だ。
それが、丘の風景を特別なものにしている。

2016/5/15 11:50
五稜の丘から、国道452に降りたら、そこからセブンスターの木や、パッチワークの道の方へはいかず、そのまま北上して旭川方面へ向かう。
超メジャーな丘は、また、次の機会に。

国道452から国道237に合流、西神楽から道道579に折れて山側へ。橋を渡ったら道道219を北上する。
しばらく北上したら、道道937へ。さらに山側へ登って、旭川市街をパスする。

道道937の高台からの風景。
若葉がかなり芽を出して、春から初夏へ、季節が動いていることを感じる。

気温もかなり上がってきた。

汗ばむような暖かさ。

国道12号線に出たら、そのまま深川方向へ。

神居古潭を過ぎたところで道道4号にチェンジ。
芦別方面へ抜ける、裏道だ。

ここは快走道路なのだが、レーダーパトカーが張っているので注意だ。
道の両側が畑で、側に民家もなく、見晴らしもよく、快調に流れるようなところで、緩いカーブの向こうに待っている。

対向車がパッシングしてくれて、助かった。
油断すると、知らないうちに速度が出てしまうような道なのだ。

安全に。
気を付けて、気を引き締めて走る。

道道4号を南下。

新城から少しだけ外れて、

黄金水松に立ち寄った。


2016/5/15 12:34
 樹齢1700年ともいわれる、イチイの樹だ。

この付近に来たときは、立ち寄ることが多い。
幹の太さでは、イチイの中で日本7位だとか。


2016/5/15 12:37
僕のツーリングの大切にしているテーマのひとつに、大きな樹を訪ねることがある。
この樹も、GPZ1100と、3回ほど、訪ねてきている。
今日は、4回目だ。
1700年もの間に、主幹の梢は何度も折れ、おそらくは本来の三分の一程度の高さになっている。
それでも幹を含め、その場全体を支配する、この存在感はとても大きい。

2016/5/15 12:36
かなりの老木なのだが、枝の先には、今年もやわらかな新しい葉がついている。

久しぶりの再会だが、今日はあまりゆっくりできない。
早く帰らないと。

明るい森に、挨拶だけして、その場を去った。



道道4号線を南下したら、国道に出る前に、道道22号線へ。西に進んで、茂尻から国道38号に出て、すぐに114号線にチェンジ。
歌志内方面へ向かう。

そのまま道道627号を使って砂川へ。
国道12号線を南下する。

途中、奈井江の道の駅でトイレとお昼の休憩をした。
食べたのは「シイタケカレー」500円。

奈井江からは道道139と、時々その裏道を使ってひたすら南下する。


2016/5/15 14:07
途中、菜の花の咲いている畑があった。
今年の菜の花は例年よりも早いようだ。

橋を渡って新篠津へ。そこからも道道139とその裏道で、江別まで。
国道337、275を使って、札幌まで帰ってきた。

377km。
家の近くのガソリンスタンドで給油して、16.19リットル。
燃費は、23.3km/ℓだった。

午後4時帰宅。
そのまま、倒れこむようにして眠ってしまった。


夕方までの短い眠りの中で、仕事の夢と、今日走った丘の光景が、交互に現れた。
ゆきかぜを洗わなくちゃ…。
そう思ったまま、重い体に起き上がれなかった。

美しい丘には、そこを耕す人々がいる。

僕の日常は、僕が耕さなくてはならない。

ツーリングに出るたびに、悟れるわけではない。
春の柔らかな日差しと、景色の中で、日常とどう折り合いをつけるのか、
どうやって仕事を回していけばいいのか、憂い顔の自分がいた。

もう少し、この迷いとは付き合っていかねばならないだろう。
50代の半ばとは、そういう時期でもある。

ゆっくりと、時として速く。
走り、考え、そしてまた、走って、考えていこう。

夕方から夜になっていく気配を窓の外に感じながら、布団の中で、重い体を布団に沈める気持ちよさを感じて、ぼんやりと、考えていた。

(春の丘、春の愁い。完)






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