2016年5月11日

V7を選んだわけ。(2)

実はV7、最初から一目ぼれ…というのではなく、いろいろ考えて絞って行った結果の選択でした。
もちろん、合理的理由だけでバイクは買えません。ほれる要素がないと、うまく行くはずがないのです。今回は、絞る前に消えていった候補たちについて。




☆通勤からツーリング、ワインディング、ダート走行まで、何にでも使う。
☆1台しか持たない。

この二つの条件を同時に満たすには、モデルの性格として、オールマイティ、またはスタンダードなバイクになってしまう。

まず外れるのが、スプリンター。

サーキットをメインターゲットに作られたマシンたち。
その性能は素晴らしく、胸躍るけれども、通勤に使うにはあまりにもったいない。
荷物を積むのも大変だし、ダートに入るのは、マシンに気の毒すぎる。


オフのスプリンターも候補からは外れる。

今回オフロードマシンの映像を探そうとして気づいたのだが、今、モトクロッサーのようなオフマシンモデルがとても少なくなっている。確かに、林道をぶっとばせるような環境も減ったし、コースで走るなら、公道モデルを買わないでいい。
でも、オフマシン、少なくなったんだなあ…と思った。
前回記事のセローなどのようなオールマイティなら候補に挙がるが、オフマシンはシートが高く、ちょっと気忙しい。


次に外れるのは、クルーザー。


以前、友人からちょっとだけハーレーのソフテイル系に乗らせてもらったことがあったのだが、その扱いやすさ、気持ちよさには心底驚いた。
これは欲しくなる。
速く走らなくても気持ちいいし、実は両足べったりでUターンも簡単。コーナリングも実は結構いいのだ。もちろん絶対的な速さはないけれども、ちゃんと気持ちよく、実はある程度の速さまでなら、くねくねの峠もばっちり行ける。
車重はあるが、走らせると重くない。素直で、頼れて、でも軽快さもあるという絶妙な走り。
もちろん若い人にもハーレー乗りは多いが、50代から70代くらいまでのリターンライダーにハーレーが人気なのもよくわかる。
とってもいいのだ。

でも、外れる。

舗装林道レベルまで行くと、ちょっと入ろうかと思えない。
僕のツーリングではかなりの確率で舗装林道レベルの道は走るし、ホントの林道も走るので、ハーレーはきつい。
通勤からツーリングまで、幅広い守備範囲なのだが、ふるい落とされる。



ホンダのゴールドウィングのような、弩級の「ツーリングモデル」。
これも走りは相当にいいらしい。しかもゴールドウィングの場合、バンク角も見た目よりかなり深くて、根本健氏などはこれで相当に速く走るらしい。(根本氏の相当に速くは、一般ライダーからすると、とんでもなく速いレベルだ。)

これで林道は無理だ。
毎日、ふらっと乗るにも、マシンを出すまでの敷居が高すぎる。
気軽にぱっと跨れそうにない。

これも僕の範疇には入らない。




フラッグシップ。

カワサキ、ZX-14R、 スズキ、ハヤブサ、など。
CB750、Z1(ZⅡ)、などからの流れを汲む、正統派、スーパースポーツ。
ヤマハはV―MAXを持ってくるべきだろうか。ホンダは、RC213V-Sということになるのか、それともVFR系か。


速すぎる。大きすぎる。重すぎる。
1995年モデルのGPZ1100でさえ、速すぎたのだ。
これ以上速いと、命も免許も危ない。または力を全然使わないフラストレーションがたまりそうだ。


今回のカテゴリーのモデルは、候補に挙げる前に消えていったバイクたちだ。
でも、それぞれにとれも魅力的だし、50代、60代でも乗っていいバイクたちだと思う。

バイクの趣味を、ワインディングで一汗かいて、カフェで休憩して帰ってくる、というふうに絞れるなら、スプリンターは最高だ。

休日に、愛車と風景と旨いもんと温泉を求めて、どこまでも走る旅に出る…。
というなら、クルーザーは最高の相棒だ。

1日1000km以上などざらに走る。
休日には弾丸ツーリングが多いが、たまにサーキットも走るし、カフェレーザー的なこともしたい…。
というよくばりさんには、フラッグシップもいい。

フラッグシップが僕の候補にならなかったのは、速すぎるからと、林道は走れないんじゃないか…という、なんかそういう理由から。

どのカテゴリーも、例えば『風まかせ』というような雑誌を見てみると、割と年配の方も颯爽と、いきいきと、走らせ、所有し、バイクライフをとても楽しんでいる。



僕はもう少し、汎用で、でかすぎず、でも長距離も行こうと思えば行けて、林道も走れ…みたいな気持ちだったのだ。

すると、アドベンチャー系か、ネイキッド=最近のはやり言葉で言えば、ネオ・クラシック系が候補となってくる。

実際に僕が検討したのも、そのカテゴリーだった。
次回は具体的にV7と同時に候補になったバイクたちについてです。

6 件のコメント:

  1. いろんな車種があって、困るところでしょうけど、実際に乗るとなると意外に少ないのですよね。クルーザーは憧れるのですが、あの重さとでかさがネック。4気筒はどんどん排気量UPの傾向ですし、1000㏄は軽く超えていってます。古めのバイクはいいのですけどパーツの供給とタイヤが無い。また足回りがプアです。電装が凄すぎるのも、自分としては、引いてしまう所です。
    適度な大きさと排気量でどこでも行けるのが
    いいです。BMWのGSはイイのですけどあの大きさはチョイ乗りできるレベルでは無い。もっとコンパクトで、軽いとなると単気筒が候補に上がりますが、ビックシングルは振動が凄くて長距離には向きません。
    今、グッチをやめて他のバイクとなるとヤマハの3気筒あたりでしょうか(笑)

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    1. 例えば僕の収入が今の1.5倍ほどあって、バイクの他にもスポーツの趣味があり、バイクをひとりで走るよりは仲間と交流し、楽しむものだと思っていたならば、ハーレーのファットボブなんかいいかなあと思います。
      また、僕の収入が今の20倍くらいもあるなら、美瑛に小さな小屋を買ってそこをガレージにし、ビモータのdb7を置いておきたいかもしれません。
      人毎に、状況毎に、ベストマシンは変わりますね。
      一般的にはV7もダートには全く向いていないと思われているわけですし。
      私は敬遠しましたが、R1200GSだって、毎日通勤に使っている人(雨でも)と、朝いつもすれ違います。
      やはり「人」でしょうか。

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  2. KEI Cさん、こんにちは。
    ああ、やはりそういうことになるのですね…。
    いいバイクであるということと、自分との相性ということとは、
    別に考えなくてはならないことのようです。
    サイドカーは新車でメーカーから出しているのはウラルくらいですか。
    北海道ではときどきドマーニが走っているのを見ますが。
    トライクも最近よく見ます。わりと多いです。頻繁にみます。
    サイドカーも相当に趣味性が高いですが、傾いた世界が好きなのと、駐車、保管場所の関係で、
    候補には一度もあがりませんでした。

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  3. KEI Cさん。
    同じ傾かないのでも、サイドカーは2輪免許、トライクは4輪普通免許ですね。
    昔の世界GPで、サイドカーの熊野組の強さに驚嘆していたクチです。まっすぐ加減速するのさえ難しい、繊細で、豪快な世界。
    でも私は、二輪の傾いた世界が好きです。

    エストレアは相当に「いい」みたいですね。昔『ライダースクラブ』誌で社員カメラマンだった森下光昭氏も、長いことエストレアを愛車にしていました。とってもいいんだと、書いていました。

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  4. 樹生さんこんにちは。
    僕も今のGBに乗り換える時は熟考吟味を重ねたつもりでしたが、また3年乗って色んな世界が見えてきています。

    先日ハーレーに試乗する機会があって、フォーティーエイトというのに乗ったのですが、これがめちゃくちゃ面白かったんですね。びっくりしました。
    二年前にセブンティーツーに試乗した時も感動したんですが、フォーティーエイトは新車のクセにびっくりするくらい個性的で。

    ハーレーは今まで視野になかったんですが、これを期にちょっと知ってみたいなと、最近本を2冊注文したところです。

    まあ買うかどうかはともかく候補を挙げるならローダウンモデルは無しで、おそらくXL883RかXL1200S、もしくはXR1200とかそんな感じだと思うんですが、そのあたりは未舗装路、林道は厳しいでしょうか?
    フラットトラックなども走れるハーレーならいけるかなとも思ったんですが…。
    おそらくハーレーの本を読んでも林道、未舗装路は全然イケますって書いていないような気がしたので、樹生さんのご意見を聞いてみてくコメントしました!

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    1. 金田慎さん、こんにちは。
      スポーツスターで林道は、その重さから誰も勧めないでしょうけれど、まったく行けないことはないと思います。
      それは、GPZ1100が林道いけます、というのと同じような意味で。
      ただ、スポーツスターの方が少し走りやすいかもしれません。
      2003年ころ、国井律子さんというモデルでライダーの方が、ハーレーで十勝のダートを走って展望台まで行ったりとかしてましたから。
      ハーレーって、意外と懐が深いと僕は思うのです。
      ただ、スタンディングができないと、林道は結構きつくなると思います。
      実際に立つかどうかではなくて、フォワードステップしかないと、衝撃を全部お尻から腰で受けなければならなくなり、マシンも、体も痛みます。
      それでもまったく無理ではありませんが、あとは、どれだけハーレーに乗りたいか、そして、その愛車でどれだけ林道でも走りたいか、でしょう。

      モトグッツィでも、林道に入ると聞くと、驚くのを通り越して顔をしかめる方もいます。
      自分はこんなこともするんだと自慢するためだけに、どうしてバイクをいじめるのか。いい気になるな、と心の中の怒りの声が聞こえてくることもあります。
      それは、半分以上あたっているでしょう。
      それでも、その相棒なのか?それで走りたいのか?ということですかね。

      まあ、そんなに深刻に考えずに、乗りたいバイクを買って、そのバイクで走れるところを走るのがいいと思います。もし、林道も行けるなら、行って。無理なら、林道はあきらめる。そういう付き合い方がいいと僕は思います。

      偉そうに、変な答えですみません。

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