2016年5月7日

余市ニッカウヰスキー工場

5月3日は余市のニッカウヰスキー工場を見学しました。

NHKの朝のTVドラマ「まっさん」で有名になった余市のニッカウヰスキー。
「ヰ」はワ行の「い」、「ゐ」のカタカナ。元々漢字の井戸の「井」から来ていて、水を大切にすつニッカらしい。また、発音的にも、ワ行は小さく「ゥ」と言ってからアイウエオの発音をするのが昔なので、「ウィスキー」の発音が「ウヰスキー」でなされ、「whisky」の発音に近いのもある。
まっさんが作ったウヰスキー工場は、今も受け継がれて、おいしい日本のウヰスキーを作り続けている。




北海道地元の軟石で作られた石造りの工場。
軟石は断熱効果があり、真夏も中はひんやり。
ウヰスキー製造過程では、熱したり、寝かしたり、いろいろ。
この建物は、乾燥棟だ。

クリックすると少し大きくなります。
工場内は見学できる。工場内のウイスキーの表示は通常。

原料から

「乾燥」  ⇒ 「糖化」  ⇒  「発酵」  ⇒ 「蒸溜」  ⇒  「熟成」

の過程を経て、ウヰスキーは作られる。
それぞれの工程に専用の建物が作られ、時間をかけて作られていく。



一般的な「日本酒」などにないのが、蒸溜の過程。
専用の建物の中で専用の釜を使って蒸溜されていく。
今でも熱源は石炭を燃やす炎で、その石炭くべは、職人による手動。
温度、熱量を管理しながら、作り続けるのだそうだ。



オークの樽に入れて熟成。
蒸溜された時のウヰスキーは無色透明。
あの琥珀色は、樽の中で何年も熟成されているうち次第にについてくるのだそうだ。
そして、分量も減る。満杯だった樽の中の無色透明だったウヰスキーは、琥珀色になる頃には半分くらいになっている。
木の樽もまた、生き物であり、呼吸しているからだ。


展示館には、樽の作り方も説明してあった。
酒を作るのには、酒を作るための道具や、建物なども作らねばならないし、もちろん、原料となる作物も農家に作ってもらわねばならない。

大変な仕事だ。



展示館はウヰスキー作りの工程についてや、ニッカの製品についてなど、いろいろ知ることができる。




有料の試飲コーナーもある。(別の場所には種類が限られるが、無料で試飲できる場所もある。)



工場内は広く、いろんな建物がある。
これは見学入口近くの建物で、ウヰスキーを作っているのではなく、人がいる場所。事務所などだ。


背の高いビルに全部入っているのではなくて、基本的に平屋(といっても背は高い)必要に応じて一部2回が手の建物が、庭や通路を介して並んでいるのだ。




その庭や通路も広くて、見学者のためもあるのだろうが、おそらくはそれ以上に、いいウヰスキーをつくるために、整備されている。
敷地内全体が気持ちのいい空間になっている。
そして、大麦(モルト)の乾燥、発酵する、甘く香ばしい匂いがしている。




余市川の反対側から向上を眺める。
一枚の写真には収まりきらない。



敷地の南端には広い駐車場があり、観光客、見物・見学客のための売店、レストランなどがある。
これはその建物の2階で、無料試飲のコーナーがある。

僕はアルコールが飲めないので、残念だが試飲できない。(だからドライバーとして重宝がられる。)

とてもおいしいとのことだった。
僕のような飲めない人のために、100%アップルジュースの試飲もできる。
余市はリンゴの生産も盛んで、ニッカがアップルワインをつくったことでも有名だ。
リンゴジュースは、やさしくて、素直で、とてもおいしい味だった。




試飲コーナーからは庭が見える。
桜が咲きかけていた。








5月6日。
僕は職場に出勤していたのだが、咲きかけた桜を見に行った人がいる。
曇り空だったが、工場のそばを流れる余市川の堤防の桜は九分咲き。

とてもきれいだったと、言っていた。

ニッカのウヰスキーが、コンピュータ制御で完全温度管理の元、100%の品質管理で製造されれいてるのではなく、昔ながらの製法を残しながら、工夫と改善を加え、世界に誇れる品質のものを作り続けようとしていることに、感慨を覚えた。

生き物を扱う食品製造のウヰスキーづくりと違い、オートバイは工業製品だが、もしもこんな工房で丹念に手作りされて生まれてきたとしたら、本当に素晴らしいバイクになるのではないかと思ってしまった。
ただし、その時には物凄い値段になってしまうと思うけれど。

まあ、これは、夢のようなふわふわした思いに過ぎないのだけれど。


仕事をしている間に、ゴールデンウィークも終わろうとしている。
ちょっとイタリアおやじの顔が浮かぶような、MOTOGUZZIのV7。
不思議なものだ。
バイクとは関係のないウヰスキー工場の見学で、ゆきかぜのことを少し思い出していた。

6 件のコメント:

  1. こんばんはルイです。記事とは全く関係ありませんがちょっと気になることがありまして質問させて頂きたいのですが、結構な勾配の下りを50km/h位アクセルオフで行くとブランコのように左右に振られるのは(心地よいような、酔いそうな)エンジンの構造上の問題でしょうか?樹生さんも、ゆきかぜ号もそうなるでしょうか?それともう一つ、点検についてですがディーラーから初回点検は1500km、その後1万kmあるいは1年という事でしたがオイルやフィルターなんかは5千km毎あるいはもっと短いスパンで変えたいような気もするのですがどうでしょう?ご意見いただければありがたいです。

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    1. ルイさん、こんにちは。
      時速50km~60km近辺で、アクセルオフ、またはパーシャルで流すときにゆらゆらと一定の周期で左右に揺れる…。
      私のゆきかぜ号でも、起こりました。
      ネットではタンクのガソリンが揺れてそうなるのではないかとか、いろいろ言われていましたが、決定的な原因は確定できていないようです。
      ちなみゆきかぜ号の場合、購入1年目に1日だけそういうことが起こりましたが、その後、3年間、起こっていません。
      どんなバイクでも共振域があって、同じような走行条件の下、ハンドルを手離しで乗っていると(いや、…やらなきゃいいんですけど)、ハンドルが左右に振れ出して止まらなくなる…、なんてことが起こったりしますが、(メーカーはそれを出さないように、共振域をずらすなど、さまざまな工夫をしているようです。)、V7の場合もそれなのかと思ったりします。縦置きクランク、シャフト、柔らかめのフレームなど、車体が左右に揺れやすい条件はあるような気がしますので。
      揺れがいつも出るとか、速度が上がるとますます出るとかの場合は、エンジンとフレーム、Fフォークと三つ又など、各所の締結ボルトの締めつけトルクがきちんと管理されているか確認したほうがいいと思いますが、通常走行で問題なく、症状が出たときもアクセルを開けたり、速度域をずらすと揺れが消えるようなら、たぶん共振の問題で、気にしなくてもいいのではないかと思います。


      さて、オイルやフィルターの交換時期についてです。
      私のV7のマニュアルでも、初回を除くと1万km、または1年周期になっていますが、私の場合は周期を短くしています。
      私の場合、IPONE(イッポン)というフランスのメーカーのオイルを入れているのですが、バイク屋さんと相談して、今は3500~5000kmをめどに替えています。
      エンジンオイルとフィルターを3500kmごとに。
      ミッションオイル、ファイナルギヤオイル(後輪のハブの部分)は7000kmごとに。
      これは、V7のエンジンオイルが約2リットルと少ないため、3リットルだったGPZの5000kmごとの2/3の周期で交換しているのです。
      V7のエンジンは回しても7000rpmですし、マニュアル通りでもいいかとも思うのですが、前の愛車のGPZ1100を12万km乗って、エンジンに関しては一度も中を開けないまま快調、良燃費を維持できたという実績がIPONEオイルとこのインターバルにはあるので、少し贅沢ですが、そうしています。オイル管理はエンジンのパフォーマンス、寿命に大きな影響を与えますので、ここで後悔したくない気持ちがあります。
      オイルフィルターは大抵のプロに訊いても、オイル交換2回に1回の交換でいいといいます。が、僕のお世話になっているバイク屋さんは、せっかくの新品オイルを汚れたフィルターを通してエンジンに回すのは好ましくないとの考え方で、私もそれに従ってオイル交換ごとに毎回オイルフィルターも交換しています。これはどちらがいいかはわかりません。

      「モトグッツィなどの空冷Vツインエンジンの場合、高価格の100%化学合成油だと、ガスケットからオイルにじみが発生する」と言って、鉱物油にする人もいます。確かにV7は指定オイル粘度が高いです。が、IPONEの場合、100%化学合成油でも分子構造自体を大きくしているので、後から粘度を増す増粘剤を入れたものと違い、まったく沁みて来ません。

      どんなオイルがいいかは、プロショップならばそれなりに経験から推奨オイルがあると思います。

      ただ、店によっては自身たっぷりに説明するものの、ひどい整備をするところもあるかのように聞いていますので、店側ときちんと議論して、分かっているかどうか、信用できるかどうかを判断し、信用できると思っても、最終的にはいろいろ調べて自分で判断する…というのがいいと思います。

      私のやりかたが正しいのか、過剰なのか、ホントのところはわかりません(ちょっとやりすぎかも^^;)が、ひとつの参考意見としてお聞き下さればと思います。

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  2. なるほど共振ですか、言われてみればですね。IPONEの記事も読まさせていただきました。実は私スペイン在住でしてだから勿論メカニックもスペイン人です。イタリアに地理的にも気質的にも似ているからいいんじゃないの?と思う反面日本のような真面目できっちりしたサービス、仕事というものが余り期待できませんし(彼らの名誉のために断っておきますが悪気はないし、彼らなりに働き者です)自分には技術も知識も無いのでV7が可哀想なことにならなければと。R1の時にヤマハのディーラーで「ええっ!?」ってな事があったりしましたから・・・。これからも何かあってもなくってもつまらない質問したりすると思いますがお付き合いください。ご丁寧なご返答ありがとうございます。

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    1. ルイさんスペイン御在住なんですね。カルロス国王がライダーで、モータースポーツがサッカーと同じくらい人気で、etc…。一度訪れてみたい国です。
      スペインでのV7Ⅱライフ、ぜひ時々教えてください。

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  3. ニッカウィスキー工場の蔵に漂う香りはイイですよね!試飲コーナーも好きですね(笑)
    私も、もっぱらドライバーなんで、残念です。ただ、ここの雰囲気は好きですね。昭和でも明治でも無い、大正のロマンが
    詰められている感じでしょうか?
    モトグッチの工場もレトロな外観でちいさな村に在ります。何か共通するものがありますよね。

    Vツインは当初から性能は望んでいませんし、極端な電子化も進んでいません。
    コストを掛けられなかった事が逆に長生きしているのかも。
    イタリア走りに鍛えられ、実用スピード域では非常に楽しく走る性格を
    与えられたと、グッチの広報担当者のコメントを思い出します。


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    1. いちさん、こんにちは。
      マンデッロ・デル・ラーリオですね。イタリアの北部、アルプスの麓、コモ湖の湖畔、人口1万1千人ほどの街に工場があるんですね。
      確かに、ある面では余市と似ている側面があるのかもしれません。
      酒でも、農作物でも、車やバイクでも、その産地を知ると、また、味わいも深くなるのかもしれませんね。

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