2019年5月1日

風の色2 優駿

2019/4/29 6:46
鵡川(むかわ)から国道235号を東へ。
高速になっている無料バイパス区間ではなく、旧というか、本というか、元の国道を行く。
海岸段丘の上を走り、時々、川が作った谷へ降り、また海岸段丘を上がる。
それを繰り返しながら、道は進んでいく。


2019/4/29 7:01
富川を過ぎ、厚賀を過ぎ…。
日高地方にくると、とたんに多く見えるのが、牧場。
それも牛ではなく、馬、競走馬の牧場だ。
寒い朝だが、馬たちはもう外へ出てきている。
遠めに、近くに、牧場を見ながら、ゆきかぜと僕は進んでいく。

新冠(にいかっぷ)町は、競走馬の牧場がたくさんあることで有名な町だ。
新冠川を渡り、道の駅によって、休憩を取る。

長く走るのであれば、僕の場合、1時間に一回は休憩をとりたい。
さっきは思わず2時間近く連続で走ってしまったが、
バイクツーリングでやっかいかのは、その日の後半、疲れと同時に襲ってくる体の痛みだ。
肩凝り、腰、手のひら、お尻など、一度痛みだしてしまうと、走りながら改善することはまずできない。
痛くなってからでは最善でも現状維持。だいたいはどんどん悪化していく。
だから、痛くなる前に対策が必要だ。

僕の場合、ひどい肩凝りとそこから来る頭痛は、今でも漢方薬を欠かさず飲んでいるくらいで、特に体を冷やすと、目を開けていられなくなるくらい、頭を万力で挟まれたような痛みが襲ってくる。

おまけに頚椎ヘルニアだ。
これが痛み出すと、首から肩、左腕が、これも耐えられない痛みに襲われる。
頸の筋トレなどで予防するしかない。

さらに、腰痛持ちだ。
昔、引っ越し業者のバイトで痛めたらしい腰は、ちょっと前まで痛み出すとコルセットをしなくては歩けないほどで、職場でも左に傾いてしか歩けないという、ひどい状態だった。

昔の交通事故の後遺症もある。

なんだか、満身創痍なのだ。
だから、いろいろと、慎重に準備・対策しないと、走り続けられない。

2019/4/29 7:11
新冠町、道の駅は「レ・コード館」というところだ。
昔からのレコードがコレクションしてあり、その名盤を聴かせてくれる。
前に一度、中に入ってそれを味わったことがある。
今日は休憩と、体操だけ。
身体をほぐし、温める。
首回りを冷やさないウェアリングと、身体をほぐす体操、
あとはライディング中の注意。
これで身体の疲労を、なんとか抑え込みながら、走る。
朝から0℃近くの中を2時間走ったのは、まずかった。
その分、こまめに休憩を取って、特に肩が凝らないように、気をつける必要がある。

2019/4/29 7:11
入り口のモニュメントは、昭和の名馬「ハイセイコー」だ。
僕は、昭和63年、まだ生きて老後を過ごしていたハイセイコーを、新冠町の牧場で見たことがあった。
年老いても、美しい馬だった。
それを見た僕は、まだ25歳だった。
肩をぐるぐると回しながら。
さて、ぼちぼち。


2019/4/29 7:23
新日高町の街にさしかかってきた。
ここで、余裕はあるが、給油する。
「春のひかり」ツーリングから帰って給油したきりで、街中を何回か走り、そして、今日。
191.5km走って、ハイオクが9.19ℓ入った。燃費は20.84km/ℓ。
いつもからするとかなり悪い数値だ。街中が多かったのが効いているか。

さてさて、また出発。

2019/4/29 7:42
新日高町の街灯が、これが昔から凝っていて、かなり面白い。
競走馬の故郷、という感じがする。

またしばらく行くと、休憩予定よりも早いのだが、左手に入る道の脇に牧場が広がり、親子の馬が二組出ていた。

2019/4/29 7:54
ゆきかぜを脇道に入れて停める。
ズームの望遠で追ってみた。
















仔馬は、春生まれる。
この春生まれた子どもだろう。
お母さんと一緒に、甘えながら草を食む。

気温も12℃と、上がってきている。
どうか、健やかに。


2019/4/29 8:01
そこからわずか100m。
日高山脈は雪をかぶって。
雪解け水が恵みとなって、川を下ってくる。
陽は高く、風が吹いて、日高の春を、全身に感じる。


2019/4/29 8:14
さあ、また海沿いの国道235号を、延々と走る。
海が輝く。
風も輝いているようだ。
つい速度が上がりそうな道。
でも、春の交通安全運動真っ盛り。
安全だけでなく、取り締まりにも気をつけなくては。

日高にも大きな町はいくつかある。
浦河はそのなかでも代表的な街だろう。
その町を過ぎ、様似(さまに)に向かっていくと、いよいよ半島の先の方が迫ってきたなあ…という感じがする。

様似の街の手前に、ろうそく岩と、親子岩がある。
2019/4/29 8:35
トンネルの手前にろうそく岩。

2019/4/29 8:35
カモメがこちらを見ていた。



2019/4/29 8:37
トンネルを越えると、親子岩だ。
港があり、様似の街がある。

そこも越えて、半島の先へ、先へ。

2019/4/29 8:56
川の流れがあまりにきれいで、思わず止まってしまう。
コンクリートで固めない川土手はこんなに美しいものだったか。

さあ、襟裳の街はもうそこだ。
(つづく)

2 件のコメント:

  1. 随分と朝早く出発したなと思ってましたら先ずは襟裳でしたか。
    この南下していくルートは人気が無いのだけど、意外に気分が高揚するんだよね。
    頂点の襟裳岬でピークになるのだけど、実は此処から道東の始りになる。
    十勝の南部は北部の風景と違って雄大な感じ。すごく広い。
    このツーリングの目玉は太平洋を望むあそこでしょうね~(笑)

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    1. いちさん、こんにちは。
      春のうちに襟裳岬に行きたくて、でも、
      桜が咲くと二十間道路の桜の渋滞でひどくなるので、
      今しかない…という感じでした。
      早く出はしたのですが、体力がないのと、高速を使わないので、
      遠くまでは行けず。
      わりとくるっと最小限で帰ってきています。
      「目玉」には、行ってない…かな?

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