2016年5月13日

V7を選んだわけ。(3)

2012年の秋から冬頃には、もうGPZと別れることは決まっていました。そして、次期モデルの選考も、だんだん煮詰まってきていました。
候補として残ったのは、4機種。
その4機種に絞るまでに、いくつかの機種が消えました。



秋の時点で、次期候補として絞られていたのは、4機種。


ホンダ、CB1100。



カワサキ、W800。



カワサキ、ZRX1200DAEG。




モトグッツィ V7Classic

結果的にはネイキッドタイプの4台が残った形だ。




他に検討していたのは、


トライアンフ ボンネビルT100

実際に何度かバイクショップに見に行って、店先で跨らせてもらったりもした。
バイク雑誌の評価は、どこもかなりいい。
ツインらしいドコドコさせる演出はあまりなく、スムーズに回るエンジン。
実に秀逸なハンドリング。走らせていて本当に楽しいという。
総重量230kgはGPZ1100の270kgから40kg軽い。
重心も適度に低そうだ。
何度か走っているところを見かけていたが、音といい、走りといい、昔のトライアンフのイメージを彷彿とさせるもので、とてもよかった。
値段の128万円がちょっときついが、写真で見てもかっこよく、なんかとてもいい感じだった。

ところが、バイクショップで実車を見て、跨ってみると、なんだか違うなあ…という感じがしたのだ。
これは説明しがたい。
ポジションが関係していると思うのだが、なんだかしくっと来ないと言うか、ぴったり来ないのだった。
ステップ間の内幅が広く感じられたせいかもしれないし、19インチの前輪が重く遠く感じられたのかもしれない。
W800と心の中で比較してしまっていたからかもしれない。
もともとW800の方が、W650として、現在に続くネオクラシック路線を創ってしまった最初のバイクだと断言してしまおう。(おそらく間違いない。)
そのW650はなんかあからさまに近い形で旧ボンネをモデルにしただろうってカタチで出てきた。
空冷バーチカルツインの、素のバイク。
どんどん高性能化し、カウルデザインも昆虫化(?)していく1999年頃のバイク界において、実際の走りの場面を想定してバイクライフを考えた、カウンター的バイクと出てきたのだ。
それが世界的にヒットし、とうとう本家、トライアンフが出してきたのが、新ボンネビルというわけだ。
W650よりも車体、エンジンともに大きく、キャブレターの外見のままインジェクション化したり、そうとうに「良く」仕上げてきたのだった。
まさに現代にマッチした、ネオクラシックだった。

でもなあ…。

なんとなく、デビューの時から、僕ならW650の方を評価するなあ…という気持ちがあったのだった。
もうちょっとコンパクトな方がいいし、もうちょっと押し出しが強くない方が、ネオクラシックとしては好ましいのじゃないか…。
ちょっと、もったいぶってないか…。なんて感じを、受けてしまったのだった。
(もちろん、これは一個人としての勝手な感想である。性能、デザインともに世界中で評価は高い。)

もし、跨ってぴったり来たら、俄然購入候補だと思っていたのだったが、予想以上にしっくりこない感じがしたのだった。
僕自身も、少し驚いたのだ。
意外なところで、候補としては消えて行った。





他に消えた候補は、
カワサキ ヴェルシス1000。

とても魅力的な旅バイク。R1200GSと同じカテゴリーで、エンジンは並列4気筒。
10年以上乗るには、大きく、重すぎるかと思った。
GPZ1100も大きく重かったが、実際の重さは別として、もう少し、等身大の大きさのバイクがいいなと思っていたのだ。





スズキ グラディウス650
スズキはかなり好きだ。
グラディウスは、その前のSVシリーズが好きだったが、2012年時点ではこのきれいでおしゃれな外観のモデルになっていた。
このおしゃれさにちょっと手が出なかった。
アグスタみたいな異形ヘッドライトも、僕には少し恥ずかしかったし、リヤフェンダーの狭くとんがった形も、僕にはなじめなかった。
でも、とてもきれいで、とてもいいデザインだと思う。もう少し僕が柔軟だったり、小ぎれいだったりしたら、相棒として手に入れたかもしれないのだが…。
もう一つ、こういうきれいさは、10年後に維持できるか、という意識もちょっとあった。
年相応に「やれて」きたとき、それが味になってくれるか。
なんだか、自分のもとにきたときが一番きれいで、あとはどんどん魅力が落ちていくのって、かわいそうな気もしたのだ。僕はきっと、いつもピカピカにはできないから。


2016年モデルとして、SV650はリニューアルして復活。時代は巡ると言うことか。


さて、次回は、4代からどうして、V7に決まることになったのか、です。

2 件のコメント:

  1. 別の車種に乗換えとなると、やはり色々と迷いますね。。

    返信削除
    返信
    1. tkjさん、こんにちは。
      車種が変わるということは、バイクとの付き合い方が変わるということで、なかなか迷いました。
      最後はカンみたいなものだったんですが、後悔してないです。

      削除