2022年MOTOGP、開幕戦、第2位の表彰台に上がったのは、KTMのブラッド・ビンダー選手でした。
しかも、彼自身は苦手と語っていたカタールで。
独自のマシンで完成度を高めてきたKTM。少し見てみましょう。
マフラーの出方がホンダに似ている、V4エンジン。
カウルのウィングレットは、ドゥカティに似ているが、アンダーカウルの形状はすっきりしていて他メーカーとは違う。
フロントフェンダーがフロントアクセルまで覆っているのはどくどく。ブレーキカバーは前側を覆うタイプ。
スイングアームはカーボン製。チェーン引きの形は市販車にも見るタイプ。
リアカウルの形状は数年前までのホンダのよう。
スイングアーム下にスプーンがついている。
リヤブレーキのディスク径が他メーカーより少し大きいようだに感じる。
そしてフロントアッパーカウルの縁のギザギザの切れ込みが独特。
カウル正面の吸気口が二重になっているのが大きな特徴。内側の管との間の空気はどこを通して、どういう効果を狙うものだろう?
また、アンダーカウルは水平に長く流れる今年からの他メーカーと違って、後ろがやや丸まって反り上がり、スイングアームにつながるラインとし、その代わりスイングアームにスプーンを付けている。ある意味では昨年までの思想と言える空気のマネジメント。
しかし、開幕戦で2位に入っているのだ。ホンダよりヤマハより、ドゥカティのワークス勢より速かった。
フロントフォーク(カバー)に貼られたステッカーの文字は「WP」。
他メーカーがこぞってオーリンズを装着するなか、元「ホワイトパワー」のWPとタッグで向かっていくのがとてもいい!
しかし、実は、この写真の本当のポイントは上記の部分ではない。
それは、カウルの隙間から見えているオレンジ色の部分。フレームなのだ。
鉄パイプの丈夫さ、いい意味での柔らかさ、弾性特性、そして、アルミと同じ強度でつくるなら、フレーム外側の容積を小さくできること、加工の簡単さなど、鉄フレームのメリットはアルミやカーボンより大きいと判断しての採用。
スイングアームにはカーボンを使っているから、カーボンフレームを作る技術がないわけではない。敢えての挑戦だ。
アルミよりも弾性、剛性が強くい鉄フレームは、同じ強度を得るのに実はそれほど重くならない。まだまだ鉄のフレームの可能性はある。
そう判断してのチャレンジ。
さすがと言うべきだろう。
ステップ回りはチェンジペダルのピボットはステップと同軸で、こおはスズキと同じ。
リアカウルの中にはマスダンパーの類はなさそうだ。
薄く、幅も狭い鉄フレームが印象的だ。
ウィングレットの確度がかなり前下がりであることが、この写真からも分かる。
ダウンフォースを強めるほど、それは走行には抵抗になるから、エンジンパワーが必要とされる。サーキットでのベストタイムを出すには、ダウンフォース、最高速、どちらを優先するか、どのバランスでよしとするか…。
ウィングレット形状の変更は、1台に付きシーズン中に1回だけ認められる。つまり、サーキット毎にベストなバランスのウィングレットを換装することはできない。だから、ウィングレットの設計は、ほぼ一発決めを目指す厳しい道だ。
KTMは去年から特に速くなった。
その開発にはダニ・ペドロサ開発ライダーの力が大きいとも聞く。
僕が好きだったダニ・ペドロサ。チャンピオンにはなれなかったけれど、その実力、その人間性はすばらしかった。
だから僕は、少し(かなり?)『KTM推し』なのだ。
鉄フレームの可能性を、見せてくれ!
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