ピースサイン。
バイク乗りたちが走りに出て、道の向こうからバイク乗りがやってきた時、すれ違いざま交わすハンドサイン。
左手を上げ、人差し指と中指を伸ばし、他は丸めてじゃんけんのチョキのように出すサイン。
それは、互いの安全と、いい旅を願う、一種の祈りの交差。神を信じていても、信じていなくても。
バイク乗りは、基本、独りぼっちなもの。孤独なもの。
数を頼りにデカい態度を取る奴を軽蔑し、
「良識」や「常識」という言葉を操って人を傷つけようとする奴を嫌悪する。
何よりも自由を愛し、走ることで生きることを求め続ける。
だから、戦争なんて奴は、大っ嫌いだ。
おためごかしの正義を語って大勢の人を殺し、苦しめ、自分の意見を言わせないようにして、ほんの一部の人間の欲求を満たして満足しようとする。そんな奴らが「国」を語り、人道を語り、正義を語って、平気で人の命、自由、未来を奪う。
ライダーと、戦争は、相容れないのさ。
戦争が始まっちまったら、何ができる?
国として、NGOとして、国際組織として、企業として、個人として、
できることは、少なすぎて本当に腹が立つ。でも、できることをやっていく。重ねて行く。
ひとりの人間が、会社員として何かをし、地域住民として何かをし、家庭人として、また、個人として何かをすることもある。
絵本を読むことがあるかもしれない。寄付をすることがあるかもしれない。企業として物資を送ることもあるかもしれない。身近に起こる差別的な発言を、たしなめることがあるかもしれない。
ライダーは?
ライダーにも、個人として、社会人として、いろいろな面があり、それぞれに何をしたり、しなかったりする。
しかしライダーには、ピースサインがある。
嘘っぱちの権力や、おためごかしの正義を騙る支配者に唾をはきかけ、それでも、どこのだれかも知らない、道の上で遭遇したライダーの安全を祈って捧げるピースサイン。
それは、最初から、反逆と、平和祈念、自由と命のサイン。
今こそ、世界中の孤独なライダーたちと、ピースサインを連ねよう。
その孤独なライダーたちのピースサインが、平和を希求するうねりとして、他のライダーへ、ライダー以外の人たちへ、広がり、力になっていく。
孤独な人間にしか、連帯はできない。
言い換えよう、孤独に耐える決意をした人間にしか、連帯はできない。一人でも走れ。
たくさんの孤独な仲間が、ピースサインを交わし合う。
それぞれのライダーが、それぞれの場所で、行動を始める。
今こそ、ピースサインを!
くそみたいな戦争に、ノーを突きつけよう。
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