2015年5月12日

雨の夜。


雨の夜。

朝は晴れていたのに、天気予報通り、昼からどんどん曇ってきて、夕方、風も強くなり、雨も降りだした。

今日はバイク通勤。
朝から雨合羽の用意はしていた。

ゆきかぜは、雨のなかでも「普通」に走る。




走行距離も9,000kmを越え、リヤタイヤはスリップサインも出てもう寿命。
雨の日は排水性が危なく、グリップは不安。
でも、ピレリスポーツデーモンとV7のツインエンジンの鼓動は、路面のグリップがいい。
雨の夜でも不安なく、普通に走れた。

モトグッチは雨に弱いとか、そんな噂を昔は聞いたものだが、
ゆきかぜが来てから、もう何遍も雨の中を走っているけれど、
雨のせいでエンジンや電気系が具合が悪くなったことは一度もない。

「気持ちいいけどよく故障する」というのは、もうあてはまらない。
「気持ちよくって壊れない。」
それがV7だ。


装備で198kgは、特別に軽量というわけではないけれど、750ccで装備200を切っているのは、扱いやすくてとてもいい。
押し引きも、取り回しもとてもしやすい。

雨でも、過激すぎないエンジン、太過ぎないタイヤ、重すぎないそして軽すぎない車重が、安心感を与えてくれる。

そう、普通に走れる。

晴れてる時でも、最大出力50psは普通に全開にできるし、50psをしっかり全部路面に叩き付ければ、それは普通に速い。

普通の味わい、普通のすごさを、じわじわと教えてくれる、V7はそんなマシンだ。

全然普通じゃなさそうな、このイタリアンマシンが、普通だということ。
そして、その普通は、退屈では全然なくて、普通だからこそ見える「その先」に、わくわくできるということ。

このマシンを作った人たちは、普通の田舎の風景や、田舎の道や、田舎の普通のおやじやおばさんの、ホントのすごさを、どこかで思い知った人たちだろう。
すごく高いワインでなくても、超流行のファストフードでなくても、地元の食材で、地元の人間が作った普通の飯は、普通の味だけど、すんごく旨い。
それが、スローフードの考え方。
イタリアが、そのスローフード発祥の地だ。
イタリアのママン達(おばさんたちだ)が、がははと笑いながら作る。地元のおやじが、「な、旨いだろ!」と言いながら自慢する。
そしてそのおやじは、自分たちの愛する走りのバイクを作るのだ。

日本でも、「ゆきかぜ」は、普通で、すごいですよ、イタリアのおやじ様たち。

2 件のコメント:

  1. 車重が丁度良いですね。今なら400並みの車体に750パワーですから、
    走らないはずは無いのです。
    レーシング大好きの国ならではのバイクは、キビキビと走ることが気持ち
    いいことを知ってます。
    直線道路が少ないのでしょうね。また高低差があり石畳の道もあること
    から、足回りも優れたモノがバイクに与えられる。
    今でも地方ならでは独自性があって個性となっていますね。

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    1. いちさん、こんにちは。
      アメリカ大陸がハーレーを生んだ、というのも、その一つでしょうか。
      ビモータやアグスタやドカティや、モトグッツィでもルマンなどは、「普通」ではなく、走りへの熱いイタリアンの感性を感じますが、V7は汎用で普通であるところが僕には合っていると思っています。
      それでも走りに向かっている感じがすることろも、大きな魅力です。
      僕のバイク選びの候補には、DAEGもW800も上がっていました。もしもそれにしていたなら、やはり日本ならではの感性や完成度の高さ、こんなマシンを作りたいというカワサキのエンジニアたちの思いを感じたことでしょう。ホンダのCB400SFにしたなら、ここまで完成度を上げてくるその飽くなき探求と真面目な日本気質に、やはり感動したのではないかと思います。
      普通ですごいゆきかぜの個性をもっと引き出せるようになって、北海道の大地をかけめぐりたいと思います。

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