2015年5月24日

五月、田植のころ。(1)当別へ

昨夜の鴨々亭でのイベントは午後3時から10時過ぎまであり、帰宅は11時。就寝12時半。
それでも朝5時には一度起きてしまうのは、すっかり老人のリズム。


少し仕事をして、8時頃、家族と遅い朝食。
9時過ぎに家を出た。



国道231号線は札幌市の中心部から真北に伸びる道。
篠路のあたりには、道の西側に大きなポプラの並木が数キロにわたって続く。
これはこれで、すごい景色だと思うのだが、特に話題になることもないようだ。
朝が遅いので、車も多い。ゆっくり走った。

231号線から道道128号線へ。「あいの里」と名付けられた新興街を行き、国道337へ合流する。
札幌大橋で石狩川を渡る。

道道112へまたスイッチ。当別町をめざす。



途中、踏切で止まると、「学園都市線」の列車がやってきた。
北海道は未電化区間がまだまだ多いが、この区間は電化されている。
2012年の6月に電化された。



「学園都市線」は「札沼線」と呼ばれていた。今でも正式名称はそうだとおもうのだが、
札幌から沼田町まで走っていたが、昭和46年に新十津川―沼田間が廃止になり、現在は札幌と新十津川の間を結ぶ。
「学園都市線」という名前は、北海道教育大学、北海道医療大学が沿線にあるためにつけられた愛称だという。

札幌への通勤圏である当別と札幌を結び、当別町にある北海道医療大学へ学生と教職員を運ぶ。



 当別川沿いまで来たら、すぐ脇の田んぼに水が張られて、田植えを待っていた。
高圧送電線が走る、当別町の入り口だ。


田んぼのあぜ道、シロツメグサ(クローバー)の花が咲いていた。
道具や肥料、資材などを置く小屋は、そろそろ倒壊が近いか。
こうした廃墟に近い建物も、春の景色の中だと、なぜが暖かく見える。




当別町のローソンに寄った。
11時すぎ。
ちょっと早いが、昼飯にした。


店の陰、目立たないところへ座らせてもらって、軽い昼食だ。
9000kmを過ぎ、タイヤはもうだいぶ磨耗して交換時期を過ぎているが、そのほかは快調。

ここから道道28号線を青山方向へ向かう。
札幌近郊のライダーたちがよく使う、定番ルートのひとつだ。



このルートの途中にある、当別町立弁華別小学校
木造の校舎は今も現役だが、今日通ってみると壁に
「123周年 閉校記念テーマ 夢に向かって  飛び立て」
と書いてあった。
現在の児童数13人。3学級での複式編成。1,2年生クラス、4年生クラス、5,6年生クラスの3学級。
来年の3月で閉校が決まっている。

学校のHPに校歌が載っていた。


弁華別小学校校歌

     作詩:工藤 不二夫
     作曲:五十嵐 富士男

1.
 阿蘇のふもとの われらいざ   
 望みは高し 弁華別
 ただ真心の 一つもて   
 学びの道に いそしまん

2.
 えぞが島根の われらいざ   
 心をみがき 身をきたえ
 世のため尽す 誠こそ   
 わが学舎の 誇りなれ


北海道には本州各地から入植者がやってきて、「開拓」を行っている。
入植してくる事情も千差万別。
入植してからの苦労も。

また、忘れてはいけないのが、その「開拓」は先住民族であるアイヌの人々の生活や文化を破壊する形で進んでしまったということだ。


日本各地で田舎の過疎化が進み、高齢化も田舎ほど進んでいる。
今急速に各地の小学校が閉鎖や合併でなくなってきている。

北海道も例外ではない。

この10年の間にも、多くの学校がなくなった。
これから10年の間にもたくさんの学校がなくなるだろう。

歩いて通学できない小学校が、北海道にたくさんある。

弁華別小学校から10kmほど当別川を遡ると、当別ダムにつく。
ゆきかぜとも一度訪れている


当別ダムは大きなダム。
ダム湖も大きい。




ダム湖にかかる橋の名前は、「望郷大橋」。
水没した里は、僕も何回か走っている。
過疎で人は少なかったが、美しい谷、美しい里だった。

この橋や、この湖も美しいが、もっと、もっと、美しい里だった。

上流、青山から日本海側、厚田に抜けるルートを走ろう。 (つづく)

4 件のコメント:

  1. KAORI2015年5月24日 21:38

    樹生さn こんばんわ。
    寒いながらもよいツーリング日和でした。
    青山~厚田で路肩に停めたV7の横を通り過ぎました。
    VANVAN75は全開でした。
    ファインダーの入りきらない美しい北海道のパノラマを
    いっぱい澄んだ空気とともに感じてきました。
    バイクはチビで旧くても、すてきな北海道の聖地巡礼でした。

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    1. KAORIさん、こんばんは。
      今日、同じところを走っていたのですね。
      今日は頻繁にバイクを停めては、離れて樹を見に行ったり、写真を撮ったりすることが多く、
      それでもまさかKAORIさんとVANVANが走っていたなんて、気づきませんでした。
      風はやや冷たく強く、春の名残を感じさせ、木々は若葉を茂らせて、里では田植えが始まっていました。
      素敵な一日でした。

      明日にはもう大阪でしょうか。
      お仕事もお忙しいことと思います。
      どうぞ、お気を付け下さい。

      次回札幌にお帰りの際にタイミングが合えば
      御一緒できればと思います。

      それにしても、kaoriさん、VANVANでもやはり「全開」なんですね…。
      (75では登りは全開でないと登れないと思いますが…。)

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  2. 望郷大橋。行ってみたいですね。中々当別以北には機会が無くて
    行けません。日曜は天気良かったですね~。
    私は前日のツーリングの疲れがあって、バイクには乗らず、家でウダウダ
    してました。
    kaoriさんとニアミスだったようですね。惜しかった!
    それにしても、昨年と違いバイク、結構乗ってるようで、なにより。
    昨日みたいな晴れの日は、ライディングも気分も良いですね!

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    1. いちさん、こんにちは。
      2年越しに必死に訴えかけてきた甲斐あって、3年ぶりに休日出勤の頻度が減っています。
      今年はできるだけ走ろうと思っています。

      昔の谷の風景が記憶の隅にある人間としては、望郷大橋はけっこう切ない橋でした。
      でも、その記憶もだいぶ靄がかかったように薄くなってきています。
      初夏、川沿いの道のカーブのところに大きな白樺の木が一本ありました。
      春、川のそばのネコヤナギの木が一斉に芽吹いて、不思議でかわいい風景を作っていました。
      秋、冷たい雨の中では、谷を挟む山の紅葉が美しくて、なんだか泣きたいくらいでした。
      住んでいた方々の記憶は、どうだったでしょうか。
      橋のたもとにゆきかぜを停めて、ちょっとだけ、自分勝手な感傷にひたっていました。

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