2019年8月28日

秋。(1)道道560号線

2019/8/25 9:04
8月25日(日)。8月最後の週末は、秋田へ行くことが決まっている。
今日が8月最後のチャンス。そして、秋の訪れを出迎える、僕としては最後のチャンス。
先週のように早朝に出る余裕は今日はない。
朝食をとり、ゆっくり出発。
9時頃、国道230号線、中山峠の手前まで来た。



2019/8/25 9:04
今日の天気予報は、一日全道的に曇りだが、室蘭方面は、一日晴れ。北や東は雨の確率が高く出ていた。
中山峠まで来てみると、尻別岳も羊蹄山も厚い雲の中で、それも北側の方が雲が厚いようだ。
今日は南西方面へ。
相変わらず、ゆっくり走る。

2019/8/25 9:36
郷の駅ホッときもべつ』に寄って、トイレと水分補給の休憩。
道の駅風なのだが、トイレが夜間閉まるので、24時間トイレが使えることが条件の道の駅には該当しない。
でも、地元の野菜が売っていたり、ほぼ道の駅だ。

さて、今日は南西へ……。
洞爺湖へ行ってみよう。
いつも拝読している『此先松倉』の緒崎さんが、「8月22日のツーリング ぶらっと洞爺湖へ」で書かれている、「月浦展望台」。
洞爺湖は好きで、行けるようなら毎年複数回は行く湖なのだが、月浦展望台はいったことがない。
そこを探して訪ねて行こう。
その場で決めて、行くことにした。

でもスマホもないし、手元にある『ツーリングマップル2018』にも載っていないのだが、まあ、道道578号線で月浦のあたりで見つかるだろう、と軽く考えて、いそいそと出かけることに。

今日は洞爺湖へ行って、展望台から眺めて、湖畔の西側だけを半周したら帰るだけ。
疲れて来週からまた忙しい日には、ちょうどいい感じだ。

ゆっくり行こう。


どうせゆっくり行くなら、寄り道しながら行こう。
地図を見ると、道道560号線は洞爺湖に行く手前で途切れるのだが、そこから西へ細い脇道がなんとか国道方面、道道66号線で洞爺湖畔で降りる道につながっているようだ。
ちょっとこれは行ってみよう。

…と思って、その道道560号線へ入るのにも迷ったりしながら(さすがノーナビゲーション)走っていってみた。
2019/8/25 10:00
ルスツから洞爺湖までは、国道230号線でも、十分に楽しい道だ。
景観もよく、車が車列を作っていることも多いが、流れはたいてい順調だ。

でも、一本外れた田舎道で、交通量ほぼ皆無というが、バイクにはなんだか気持ちいい。
畑の中の道。
路面には、農作業車の落とした土が点在し、どかっとまとまって落ちているところでは、香ばしい土の匂いがしたりして、それもまた、気持ちいい。

堆肥の匂いがするときもまれにあるが、完熟した堆肥なら、雑菌が死滅するので(堆肥の発酵温度は、時により70℃にも達し、雑菌のかなりの数が死滅して嫌な臭いがしなくなる)、これも慣れると、悪くない匂いだ。
もちろん、四六時中かぎ続けてと言うわけではなく、路上で、ふと匂う程度なら、というわけだが。

ちょっと休憩させていただく。

ああ、それにしても、空が秋の色だ。

2019/8/25 10:00
右側の畑はカボチャだった。
カボチャの匂いが立ち昇っている。
その奥は何だろう。

2019/8/25 10:01
振り向くと頭を隠した羊蹄山が見え左の奥にニセコの山も見えている。
畑の中に積まれたのは収穫カゴ。ジャガイモの収穫をしたのかな?

都会に住み続けているが、農の風景の中にくると、いつもほっとする。

少し伸びもして、でも、あまり長時間とどまると、不審者になってしまう。
ぼちぼち出発だ。

2019/8/25 10:09
ちょっとした土手に、ススキが穂をゆらしていた。
雲の間から空き特有の深い青。
太陽が顔を出したり、隠したり。

もうすっかり秋だ。

2019/8/25 10:10
風の吹き方が、ちょうどいい。
秋の訪れを、優しく告げる風。
軽く揺れるススキの穂。

ゆきかぜと土手と、その向こうに見える空を記念撮影。


2019/8/25/10:17
道道560号もなかなかいい道だった。
気がつけば、舗装が切れる牧場の所まで来ていた。
夏を謳歌したイタドリの葉が枯れて茶色くなり、草々の緑は色を濃くして、
山の向こうに厚い、でも夏の入道雲とはもう違う、秋の雲と、その向こうに秋空。

ここは牧場。

2019/8/25 10:18
ちょっと来た道を戻ってみると、黒牛がいっぱいいた。

2019/8/25 10:18
振り返ると、ゆきかぜがさっきよりちょっとだけ小さく見える。

一つ上と同じじゃないかって?
いや、もう少し引いてみた…というか。ズームが効かないので、バイクから離れた分しか、画角が変わらないんです。
わずか100mほどではあるけれど。
そう、こうして歩くことも、いいものだ。
急ぎの旅ではどうしてもバイクの側にいて、写真を撮ったらすぐ走り出すリズムになるのだが。

2019/8/25 10:18
牛は20頭近くいただろうか、みんな餌を食べたり、うずくまったり、草を食べていたり、思い思いに過ごしていたが、一頭だけ、ずっと僕の方を見張っていた。僕が歩くと、それに合わせて、首を僕の方へ振る。
リーダーだろうか。
風格のある一頭だった。

ごめん、あんまり長居はしないよ。
できるだけ静かに、立ち去ることにした。


さてさて、ここから細い道を…と思って、道の入り口から50mくらい入ったのだが、
今回は行くのをやめた。
道なんだから行ってもいいんだろうが、どうも人の土地に侵入している感が強く、路面もあまり走られたがっていない感じもして、今回はやめてしまった。
もしももっと軽いオフロード車だったら、行っただろうか。

かわりに、少し戻ってから別の道を、国道230号線への合流を目指して走ることにした。
この道もまた、細くて山の中で、舗装路なんだけど路面にはいっぱい土が落ちていたり、先が見えなかったり見通しがよくなったりと、とても変化に富んで面白い道だった。
面白くて、今度は止まって写真を撮るのを忘れている。

気まぐれっていうのは、なんだか、つじつまが合わないものだけど、
それだけに、楽しい。

だいぶ下ってきたな…と思っていたら、景色が開けた。

2019/8/25 10:35
ああ、なんかいい景色だ。
山から谷へ、景色が開く瞬間。
今度は止まって、少し休憩した。
ちょっとだけ歩いて、写真も一枚。
後でわかったのだが、ゆきかぜの向こうに見える青い屋根、煙突、赤い屋根の家は、陶芸の窯元だった。

ここからもいい景色が続くのだが、そこから川の流れのように下っていって、国道230号に合流するところで、

2019/8/25 10:44
その窯の看板があった。
後ろに見える山の森の中から走ってきたのだ。


2019/8/25 10:44
10時44分。
ここは、洞爺湖町大原。大原ふるさと会館のすぐそばだ。

寄り道楽しかった。
洞爺湖へ
行こう。

(つづく)

2 件のコメント:

  1. ご紹介頂きありがとうございます。

    手元にあるツーリングマップル2016にも、月浦展望台はありませんでした。
    展望台までの道も、道道578号扱いになっておらず、この先の展開が大変気になりました。
    次回が一段と楽しみになりました。。。不謹慎ですみません。

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    1. 緒崎さん、こんにちは。
      緒崎さんの道の探訪、いつも楽しみに拝見しています。
      月浦展望台、メジャーじゃないのに、素敵な展望台、
      家に帰って、グーグルマップで見ると、ちゃんと道道578沿いにありました。
      さて、この日の顛末は……。
      よろしければ、続編を、お楽しみください、なんつって。

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