2019年8月11日

陽射しと、木蔭。(3)



2019/8/4 11:48 石狩市 R451
千本ナラに別れを告げ、少し北上、国道451号線を内陸へ入っていく。
久々に通る道は、路面状態は相変わらず悪いけれど、気持ちのいい道だった。
早めの4輪や、ツーリングのバイクに道を譲って抜いてもらいながらゆっくり流す。


道道28号線の分岐まで来て思い出した。
そういえば、リヤタイヤ、ロードテック01のタイヤテストしてなかったなあ…。
道道28号線は適度に路面が荒れ、適度にカーブがあり、途中民家はなく、交通量も非常に少ない。
絶好のテストロードなわけだが、今日はリハビリでもあるし、ヘルニアの痛みはまだ来ていないが、今年は数えるほどしか走っていないし、何よりさっき、命を大事にしようと考えたばかりだ。

今日は我慢。
ゆっくり、ゆっくりだ。

やがて、道道11豪セントの分岐地点、道民の森案内所(…といっても無人の、トイレと展示が少しあるだけの、小さなパーキングだ。)に到着した。

2019/8/4 12:26 当別町道民の森案内所
暑い。
喉が渇き、日陰が恋しい。
やはり体力は落ちているなあ…。

建物でトイレを借り、自動販売機で缶コーヒーを買って、綺麗に刈り込まれている芝生の広場の向こうにある木蔭に歩いていって、根方によいしょと腰を下ろした。


同時・同所
冷たい缶コーヒーがおいしい。
今日の装備は、クシタニのエクスプローラージーンズ(革製)、
速乾性のTシャツの上に、フェニックス製、ワインガードナー:フルメッシュジャケット
このジャケットも1997年製とか、それくらいだから、20年選手だ。
そして先日買った、ファイブの新しいメッシュグローブ。

缶コーヒーは「お得」とかで、100円だった。

ちょっと頭の奥がジンジンする。
ゆったりと風を通して、身体を休める。

缶コーヒーは利尿作用があるため、トイレが近くなるし、その分、水分も外に出ることになるのだが、糖分と、カフェインと、心理的効果(「ああ、珈琲」)を考えると、ツーリング中としては、まあ悪くない。トイレ休憩も回数を多めに取り、水分もその都度摂るようにすればいいのだ。

さて、15分ほど休憩できたので、出発することにしよう。
出発前にタイヤの表情を写真に撮っておく。
2019/8/4 12:45
フロント。
そろそろ五分山か。
サイドエッジ近くは殆ど削れていない。
ここのところ、攻めた走りをしていないからね。

2019/8/4 12:45
リヤ。
ショルダー付近まで接地しているが、エッジは使っていない。
まだ中央付近にも「ヒゲ」が残っている。さすが新品だ。
交換してまだ500kmも走っていない。
ここまでの道のりでは、以前のインプレッションの通りの性能だ。

再掲しておこう。

 印象としていえば、グリップ力自体は、格段に上がって、強力になっています。
 ラジアルに近い間隔です。こんかいの程度では滑るような気配が全くない。
 表面の表情も、ややオイリーに見えながらさらっとしています。
 乾いてぶさぶさになってもいないし、青焼けもしていない。
 これはライフにも期待が持てそうです。

 ハンドリングに関して言えば、安定性重視。
 ひらひら感はなく、ラウンド形状のせいも大きいと思いますが、勝手に倒れてはいか
 ず、起き上がりこぶしを、倒し込んでいくような感覚があり、いつも少しだけ立とう
 とする反力を、わずかに感じます。しかし、立ちが強いわけではない。
 この微妙な、というか、絶妙なというか、安定している感覚は、メッツラーのツーリ
 ングタイヤならではのもののように思います。

 開ければ開けるだけグリップ感が増していくように感じられるのも、ラジアル的。
  …といっても、幅130㎜。
 190㎜や200㎜のような安定さはありません。その分、軽く感じ、それは車重の軽さ
 とも相まって素直な感じを与えてくれるようです。
                          (以上引用終わり)

さて、ポコポコと走っていこう。

2019/8/4 12:57 当別ふくろう湖 望郷橋
ダムにかかる「望郷橋」
いつもここで立ち止まってしまう。

水没したふるさと。
「望郷橋」とは、皮肉な名前だ。
ここで、ふるさとを思い出すのだろうか。
湖面が青く輝いて綺麗だった。

同時・同所
テールライトのケースに青空が映っている。
明るく、美しい風景。

今日の空は明るい。

それはさっき、千本ナラでも感じたことだった。

2019/8/4 13:13 当別町 弁華別小学校跡 
ダムから下流へ。
青山川を下っていくと、弁華別の集落へ差し掛かる。
ここには2016年まで現役の木造校舎だった弁華別小学校の校舎が、まだ建っている。
123年間の歴史に、幕を下ろした。
2007年に、北海道の巨木を訪ねるツーリングを始めてから、その間に閉校した小学校をいくつも見た。人口減少、特に地方の少子化、人口減少は、今もかなりのスピードで進んでいる。

ここでも木蔭にゆきかぜを停めさせてもらい、ちょっとだけ写真を撮った。

まだ1時台。
少し遠回りして帰ろう。
道道28号から、日本海側の望来へ抜ける細い舗装路があるらしい。
その道を探してみることにした。

僕はスマホも持たないし、ナビもないので、ツーリングマップルを頼りに、探していく。

こういう散策は好きだ。
道に迷うのも、結局無駄足になって引き返すのも、楽しい。

時間に余裕があるときにしかできないが、これもバイク旅の楽しみの一つだと思う。


2019/8/4 13:28 道道28から望来へ抜ける道
途中水田の稲がみずみずしくて、思わず止まった。
まだ、あの甘い実りの匂いはしてこないが、田んぼのいい匂いがする。


ゆきかぜ、イタリアのコメとはまた、違った品種だと思うよ。
君と日本の田んぼの脇をこうして駆け抜けていくのも、もう7年目のシーズンに入った。
僕のふるさと、秋田県では、子どもの頃、毎日田んぼのあぜを歩いて遊びに行ったり、幼稚園バスから家まで歩いたりしたものだ。
田んぼの匂いは、僕の幼少期の匂い。
田んぼの側を通るたびに、いつも思わずにいられない。
今年も豊かな実りになりますように。

2019/8/4 13:39 同上
細い道はやがて山に入って、森の中を抜けていく道になった。
木漏れ日のトンネル。
森の中は、少し涼しい。

でも、ここどこだろう。
この道で正しいのかな?
何処へ行くんだろう。

ま、行ってみて、だめなようならいつでも引き返そう。

2019/8/4 13:49 石狩市普通林道五ノ沢線、道道527出口
……と走っていたら、丁字路に当たった。
どうやら「普通林道五の沢線」という道を走ってきたみたいだ。
道道527号線に出た。

さて、ここから海沿いの望来へ抜けると、海水浴の渋滞にはまることになりそうだ。

527を南下して当別町へ出て、内陸を札幌市方面へ帰ることにしよう。


2019/8/4 14:11 当別町 コンビニ
当別町のコンビニで、2時だけど遅いお昼を。
おにぎりと牛乳。
行儀悪いけど、コンビニの軒下の日陰にべたっと座って、昼飯にする。
コンビニ看板の柱の下に、ゆきかぜが僕を待っている。

あ、ヒナタだ。

自分だけ日陰でと、怒っているかな?

でもなんとか、この暑い日のリハビリランも無事終えられそうだよ。
今日はなんだか、ヒナタとヒカゲ。
陽射しと木蔭に終始した走りだったなあ。
北海道には珍しい、暑い暑い日の連続。

暑いなあ…といいながら、おにぎりをほおばり、よく冷えた牛乳を飲んでいたら、
中学生の時に同じ年のモテギ君が作った歌を思い出した。
彼の曲、殆ど忘れてしまっていて、メロディーも思い出せない。
でも、歌詞の途中のところだけは、なぜかずっと覚えていたんだ。

  北国の夏は 長くはないけれど
  それでもこかげは 恋しいものですね

(「陽射しと木蔭」 完)




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