僕は、札幌市に住んでいる。
新型コロナウイルスの感染については、札幌市は第二波に襲われていて、全国でも新しい感染者が増え続けている数の多い場所だ。
夕方、散歩しながら、僕がバイクに乗ることについて、考えた。
『ヤングマシン』のweb、『またバイクを楽しめる日が戻ってくると信じて【緊急取材】バイク界における新型コロナウイルスの影響は?2020/4/20』
では、記事中に以下のように述べていた。
【バイクなら三密を避けられる?】 バイクを利用し、公共交通機関を避ければ、人と人の物理的距離を一定以上にする“ソーシャルディスタンス”が保てる。ただし、本文にも記した通り、今はバイクに乗る理由を問われる状況にある。
平常時のようなツーリングが楽しめないのは仕方がない。人々が集まる場所に出向くことは厳に慎むべきだ。また、単独のツーリングであっても、万が一事故に遭った場合は医療のリソースに負担をかけるだけでなく、この先に医療崩壊という局面になったとしたら、救急病院での受け入れ体制も平常時のようにはいかない可能性が高まる。さらに言えば、ライダーがウイルスを持ち込む側になる可能性も否定できまい。
こうした要素を総合的に考えての判断になるが、やはり楽しむための走りは状況が好転するまで我慢するほかなさそうだ。それでも乗ると言うならば、「絶対に事故を起こしてはならない」と強く申し上げておきたい。
また、4月23日には、僕自身、このブログで以下のように書いた。
札幌市に住んでいる私。
週末、GWとも、札幌市を出るバイクツーリングは自粛しましょう。
私がバイクと出かけるところは、ほとんど人がいないところばかりではありますが、途中、トイレやコンビニには立ち寄ることになると、人との接触は生じてしまいます。
これは、今は、避けなくてはなりませんね。
また、5月1日に、ヤマハの「ヤマハバイクブログ」では、「今こそライダーとしての誇りを持ちましょう!」として、次のような文章を掲載している。
ヤマハ発動機販売の本間です。
今、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令され、外出自粛が要請されています。
我々ライダーとしても真摯に受け止め、責任を持って行動をしましょう。
3密じゃなければ大丈夫。ソロツーリングだからOK?
ライダーだけが自由な訳はなく、今は外出を自粛する事が、早期にこの事態を乗り越える手段です。
仲間との楽しいツーリングや旅先での出会い。胸を張ってそれらを楽しめる時まで、もう少しみんなで頑張ってみませんか。
他人への思いやり、そしてライダーとしての誇りを持って、今は我慢して家でのんびり過ごしてみてはどうでしょう?
実はヤマハのサイトには自宅で遊べるコンテンツがあるのです。(以下、引用省略)
僕は、基本的にこれらの意見に賛同する。
しかし、自粛が続き、ストレスが蓄積してくる中で、他人の自粛度合いの不足をヒステリックに責めたり、逆に自粛そのものについて攻撃的になったり、または、医療や運輸関係の人や、その家族の方々への差別的言動があったり(…これらは日本だけでなく世界的なもので、コロナウィルスそのものよりも恐ろしい…と言われていたりもする)と、事態が切迫しているだけに、私たちの反応も寛容さを書き、極端に走りがちになっている気がする。
僕が考えるのは、そして今、ここに書くのは、「みんながどうすべきか」ではない。残念ながら僕は今、何が正しいのか、分からない。どうすべきかも。
僕が考えるのは、いちライダーとして、「僕がどうするか」だ。
北海道は、札幌を含む石狩地方を除けば、ここ2週間、それほど多く新しい感染者が確認されているわけではない。
緊急事態宣言の「特定警戒都道府県」として継続することを決定したのを受け、15日、北海道の新型コロナウイルスに関する対策会議が開かれ、道は石狩地方以外の地域で16日以降、休業要請を一部解除することを正式に決定した。
その際、この中で生活の維持に必要な場合を除く外出や、札幌市との不要不急の行き来を控えるよう全道で継続して求めている。
僕はテレワークも取り入れてはいるものの、出勤せざるを得ない場合も多くて、7割くらいは職場に行っている。
元々車通勤だったから公共交通機関での「密」は回避されてはいた。かねてから今春からバイク通勤をメインにする予定でいたが、それはそのまま実行。
今、僕は通勤でバイクに乗っている。
スーパーに食品の買い物に行けば、意外と混んでいるのに困っている。いろいろ時間帯をずらしたり工夫しているものの、結構な人混み状態だ。
僕は今の所無症状だが、僕が絶対に保菌していないとは言い切れない。
毎日、かなりの人数と接触しているからだ。
インフルエンザと違って、無症状でも感染力は結構強いようだ。
せめて飛沫を飛ばさないように、自宅にいるとき以外はマスクをして、距離をできるだけ開け、手を頻繁に洗って、生活している。
自分がうつらないためもあるが、万一の場合、自分から人へ感染させないことも
今はわからないままに考慮しなくてはならない状況下にあると、僕は感じている。
それから、今は、バイクでの事故や怪我の際、救急搬送による医療態勢へ負担が大きくなっていることも意識しなければならないだろう。
5月12日の時点で、重症者用に確保している32の病床に対して23人が入院中、およそ7割が使われている状態で、これはかなりの逼迫状態と呼ばなければならない。
札幌市だけの累積感染確認数は5月15日時点で615人、死者は39人である。
クラスターにおける感染も多いが、市中感染も出ている。
札幌市でも、医療関係の厳しい状況は続いているのだ。
地方ではそもそも病床が少ない。だから、ヤングマシンの言う、「それでも乗ると言うならば、「絶対に事故を起こしてはならない」と強く申し上げておきたい。」という言葉には、僕は賛同する。
そして、何度も書いてきたが、僕は乗るたびに「バイクで死なない、バイクで人を殺さない」と念じて乗っているが、いつ事故に遭うかは本当にわからない。走る限り、その可能性は必ずある。いつでも。
いつでもあるんだから今だっていいじゃないか…となるか、
これは僕の走る際の僕自身の気持ちの問題だ。
通勤時だって事故の可能性は毎回あるわけだから、ゼロにしようと思えば完全に外出できなくなる。僕自身として、どこまでなら納得できるか、という問題なのだ。
僕にとって、バイクでツーリングに行けないということは、かなり苦しい。
今回のライディング自粛も予想以上に苦しくて、かなり心理的にも追い詰められている感じがする。
仕事の方もこの感染症の影響で、先の見えない中で無駄になると知りながらプランを練り上げてはひっくり返されて組み直し…を延々と続けていて「シーシュポスの神話」のようだ。
このストレス、空の下で風に吹かれたい。そこまで、バイクで走っていきたい…。
この渇きは、すでに尋常ではない。
僕はどうするだろう。
たぶん、札幌市を出るツーリングには、札幌市の自粛要請解除が出るまでは行かない。
自粛要請解除は、感染の広がりの変化や、医療の状態などから総合的に判断して出るものなので、それだって完璧には程遠いだろうが、情報ソースを多く持っていない僕が自分勝手に思い込む基準よりは、はるかに説得力がある。
感染の広がりを防ぐためなら、ソロツーリングに出かけても問題ないという考えもあるかもしれない。いつもの僕だって道の駅を除けばほとんど人と会わないツーリングなのだ。コンビニで買い物をして、どこかでトイレを借りるくらいで、ほぼ、誰とも会わない。
でも、〈僕は〉、しばらく札幌市をツーリングで出るのはやめておこう。
保菌している危険性が僕にはある。(札幌市民ならだれでも…というべきだろうか…?)
感染がおさまっている地方に、僕が菌を持ち込むことはしたくない…という思いがある。
今は、感染予防策をしたうえで、必要最低限の人との直接接触にとどめておきたい。
しかし、散歩やジョギングがいいように、また、運動として自転車がいいように、バイクによる最低限の(?)散歩は、札幌市を出ない範囲で、してみようかと思っている。
これも条件がある。トイレを含め、人と接触するところにはどこにも寄らないということ。それで行ける範囲内にするということだ。
通勤路で少し寄り道を、こないだもしてしまったが、事故に十分気をつけた上で、そういういうことはしてみたいと思っている。でも、それも最小限にしよう。
なんだか、本当に中途半端だ。
でも、買い物だって中途半端しかできないのだ。
どこまで混んでいたらスーパーに入らず引き返す?
どこまでが必要な品で、どこからが必要でない品なのだ?
(例えば、音楽や絵や、文学は、人により、絶対に必要なものだろう。同じものが他の人には全く必要でない場合もある)
中途半端にするしかないのが、今の僕だ。
冷静に、リスクを考えれば、ソロでの田舎道へのツーリングは、僕の日常の仕事よりもずっとリスクは低いと思う。
おおっぴらにするのは遠慮も働くかもしれないが、僕は、今、本当に慎重に、例えば水筒などを携行して、ソロツーリングに出かけてもいいと、僕自身に対して思っている。
僕は、ツーリングに行ってよい。たぶん、そうだ。
でも、たぶん、5月中は行かない。
僕は殆ど、一人で走っている。
誰かと一緒に走ることはあまりないし、ツーリングの途中でも、誰かと話すことは少ない。
でも、僕は一人ではない。
それは「つながっている」という意味ではない。
「絆」という意味でもない。
僕には、離れたところに、バイク、オートバイ、モーターサイクル…、言い方もそれぞれ違って、自分の呼び方も違うけれど、僕にとっての仲間がいる。
その人たちの存在を、僕はいつも忘れていない。
中には、今、走っている人もいる。
今、走っていない人もいる。
走ることで〈在る〉ライダーもいれば、
走らないことで〈走る〉ライダーもいるのだ。
僕は僕の中にいる彼らに恥ずかしくない行動をしたい。
僕をずっと支えてきたライダーとしての誇り。ライダーとしての生き方。矜持。
自分のものにできず、ずっと憧れ続けてきただけだが、今、走ることよりも、そちらの方が大切だ。その方が、僕はずっと走っていける。その方が、遠くで人生を走っているライダーたちに、恥ずかしくない僕でいられる。
こんなヘンテコなこだわりは、おかしいかもしれない。
寄り道や散歩した時点で、もう壊れてるんだよ、と言われるかもしれない。
たぶん当たってるんだろう。
そしてこれは、宣言ではない。
あくまで、僕の、僕自身に関するこだわりと、今日時点での考えだ。
僕は、もう少し、通勤と買い物と、近所への散歩以外は、走らずにいる。
こんにちは。
返信削除この状況下でバイクに乗るということも、いろいろな意見があって、ネット上で討論しているスレがあったりします。特に首都圏では、東京ナンバーが地方に来るだけで地元の人は嫌な思いをするという話も聞きます。私などは気が小さいから、人から「不要不急でなく遊びでバイク乗ってる」と思われるのが嫌で乗らなかったりもしています。でも、バイクに乗れる季節が短い北海道の方々は、乗れない時期が増えると私等よりも辛いですね。北海道も私のいる神奈川県も、まだ非常事態宣言が出たままですが、解除されたらどうしようかとも思います。来週末にV7Ⅲがやっと納車になる予定ですが、来たら乗りたいですよね。ああ、でもこちらは
どちらにしろすぐに梅雨入りだぁ・・・(TT)
がたぱしゃさん、こんにちは。
削除来週末の納車、楽しみですね!
北海道では、走り出してから家に帰って来るまで、誰にも会わずにということができたりしますが、以前住んでいたことのある広島では難しいかも…と思いました。
市街地を抜けるまでが、長すぎて、高速に乗ってしまうと、トイレとか行かなくてはならないタイミングになりそうですし…。
一般道も交通量が減った分、いつもよりも車が速度を出していたりして、勝手が違う場合も多く、難しいですね。
でも、愛車が手許にくることは、それはそれは楽しみですよね。
例えば、この際、汚れる前にワックスがけしてしまうとか、いろいろできるかもしれませんね。
私も通勤の汚れを取ったり、整備したりしてこの週末は過ごそうと思っています。