2020年5月23日

根本健氏の『ネモケンCHANNEL』を観て。

根本健氏のネモケンCHANNEL
生配信を2回していますが、ゲストが宮城光氏と原田哲也氏という、豪華キャストです。
生配信はGWの時に一回、そして昨日、5月22日に一回、今の所、計2回です。
興味深いトークを繰り広げていて、面白いです。チャットコメントに元RIDERSCLUBにいて、ラジコンワールドなどの編集長を歴任した村上啄太氏のもあったりして、私にとって感慨深いものもありました。
さて、そろそろ緊急事態宣言も解除が近いのでは……、という期待の中、金曜日に行われた第2回生配信ですが、オープニングで根本健氏はこういうことを言っていました。
(文字だけの記事です。)


オートバイは確かに自分の責任で乗るものではありますが、
今この状況で、やっぱり僕らライダーが一番考えなきゃいけないのは、
やっぱり医療体制、
なんかあったら、我々が悪くなくても、何かがあったら、
やっぱり、そこに負担かかっちゃう、ということが…。
自分たちが原因ではなくても…。
ということがあるので。……とにかく、今とりあえず、
みんなでこの医療体制を守ろうと、いう側に立ってないとね、
ということで、今日もバイクの話いっぱいしますので、
不完全燃焼はそこで燃えていただいて、
ぜひみんなで、なんとか乗り切ろうということで、お願いします。

また、モナコの自宅から参加した原田哲也氏も次のように言っていました。
モナコも先々週くらいから少し緩くなって、
お散歩くらいならできるようになりました。
(中略)
自宅から100km以内であれば、
オートバイも乗れるみたいなんですけど、
何かあったら、まだ医療関係者にまだご迷惑がかかるので、
まだそこは自粛してます。

繰り返しになりますが、私は、この状況下の北海道で、
例えば今日、個人として、責任をもってバイクで走りに行くのはいいと考えています。
決して責められるものではない、と。もちろん、走り方によりますが。
私はまだ行かないというだけで。
私自身に対しても、節度を守れば行ってもいいと思っています。
みんなで大挙していったらだめだと思いますし、混んでいるところへは今は行かず、そういう時は引き返してくるのがライダーだとも思っています。
私も結局、バイク散歩には出かけられていませんが、バイク通勤は続けています。
根本氏や原田氏のいうことが、どこまでのライディングを指すのかはわかりませんが、
通勤している僕自身、完全に走っていないわけでもないわけです。

僕が思うには、
根本氏の言う通り、「オートバイは確かに自分の責任で乗るもの」だと。
だから十分考慮し、自分の責任で、感染を広げないようにしながら、走ることを責めることはしない。むしろ、そういうものにまで、ヒステリックに責め立てることの方に嫌悪感を感じます。
しかし同時に、根本氏の、
今この状況で、やっぱり僕らライダーが一番考えなきゃいけないのは、
やっぱり医療体制、
なんかあったら、我々が悪くなくても、何かがあったら、
やっぱり、そこに負担かかっちゃう、ということが…。
自分たちが原因ではなくても…。
ということがあるので。……とにかく、今とりあえず、
みんなでこの医療体制を守ろうと、いう側に立ってないとね、
という言葉に、共感を覚えます。
2011年、交通事故で当時ライダースクラブ編集長だった竹田津氏が亡くなりました。
私のフルフェイスの右耳には、今でも竹田津さんのステッカーが貼ってあります。
根本氏も、公道で転倒し、入院したことがあります。
そうした経験も、今回の発言の背景にはあるのかなと思ったりもします。

根本氏や原田氏の発言は、YouTube上でも社会的にそれなりの影響力があることを、ご本人たちも考慮しているという面もあるでしょう。しかし、それ以上に、本音でもあるでしょう。

ここから先は、完全に僕の個人的こだわりというか、偏見かもしれないんですが、
バイクは、常に死の可能性を孕んでいる。
いつでも、その可能性を頭の隅に置いておかなくてはならない乗り物だと思います。
その上で、命を守ろうとし、その上で、さらに走ろうとする、走らずにはいられない気持ちを捨てられずに抱き続けている……、そういう心性を、”僕ら”はライダーと呼んでいました。

走れば死ぬかもしれないし、場合によっては人を殺すかもしれない。
バイクや車を運転して走らせる以上、その可能性から完全に逃れることはできません。
しかも、荷物を運ぶにも、4輪の方が便利だし、バイクに乗らなくても、生活はできる、生きていける。はっきり言えば、「無駄」「無益」。
それなのに、走らずには生きていけないと感じている。
そして、走ることで、自分を取り戻し、走ることで自分を鍛え上げ、走ることで人へのやさしさを学んでいける…、そう感じている人たち、その人たちを、ライダーと呼ぶのです。

だから、僕の偏見からすれば、ライダーはどこかに、自分の存在に後ろめたさを抱いています。
無駄な存在、無益な存在。危険なだけなのに、それに遊びでかまけている。
でも、捨てられない。
バイクがあるから、生きていけるのだ。
分からない人には、たぶん全然分かってもらえない。この心性。
しかも、バイクは趣味としては金がかかる。
なにがしかの犠牲を払わなければ、始められない、維持もできない趣味です。
そんなものに金を使って……。

だからこそ、それだけのものでなくてはならない。
自分の趣味を、ただの下卑たものにしたくない、してはならない…。
誇りを持っていたい。持っていなくては、走り続けられない…。

そう、そこまで力む必要などまったくない。

わかっているんです。
わかっているんですが、しょうがない。
僕は、そうやって生きて来た。
バイクに乗っていなければ、今の僕はない。
僕もバイクで事故を起こして、大怪我して死にかけたこともありますが、
バイクに乗っていなければ、生きていたかどうかもわからなかった。

そういうものとして、僕はバイクと付き合っています。
だから僕は今日、ツーリングに行くわけにはいかないのです。

そんなことを、考えたりもしました。

4 件のコメント:

  1. この冬、クルマを廃車にしてしまう事故を初めて経験しました。
    いつものように走り、いつものように安全に気を配っていた筈だったのですが。
    そんないつもクルマの運転だったので、よもや自分がそんな大きな事故に会うとは。
    その瞬間ぶつかった衝撃と圧力は、自分でも現実として信じられないものがありました。
    まさか、自分が?
    でもそれは起こりました。
    事故は突然ふいに訪れるものなんだと、いまそう思います。
    いままでが大丈夫だったから、これかも・・そんなことは無いですね。実感しました。
    それを経験してからのいまのコロナ渦。一時的に身体のすこしが不自由になったことで、
    あらためていまの、医療現場を考えたりです。
    MCで走ることは、同じように僕もずっと必要なことで在り続けました。
    現在いろいろ余裕が持てなくなって、すこし呼吸困難気味ですが、
    その日が来たら・・すこしだけ走ってみたいです。
    走って行きましょう。これからも。

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    1. selenさん、事故のこと、大変でしたね。
      具合はもうよろしいのですか?
      いまさらですが、お見舞い申し上げます。
      私も、いつ、事故に遭うかわかりません。
      覚悟しているつもりでも、その都度、実際に遭遇するまでは
      本当のところは分からない…。そういうものかもしれません。

      私は今、仕事の方でストレスフルで、本気で気をつけてセルフケアしなくては…
      と思っています。
      本当に、休みの日に、バビューン!と走りに行きたくて仕方ないのですが…。
      もう少し、走らないで「走る」というのを、やせ我慢していきたいと思っています。

      「走って行きましょう。これからも。」

      はい。走りましょう。これからも、ずっと。





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  2. こんばんは。
    このネモケンチャンネル、コロナ禍のステイホームの中で見ていると楽しいですよね。ネモケンさん、ライダースクラブ誌から離れてしまうそうですが、やはり歳をとって忙しいのがきつくなったのでしょうか。我が家から30分程のところに、モトグッチで有名な神宮司さんのショップ、モトラボロがあり、そこでネモケンさんがレースで走るV7を見ました。カッコ良かった。

    ところで、本日の夕方、やっとV7ⅢSpecialが納車になりました。予約してから2か月半、長かった。こちらのブログもいろいろ購入の参考にさせて戴きました。これからもよろしくお願い致します。ちなみに購入までの経緯をブログに書きましたので、お暇な時にでもご来訪下さい。一言、コメントも戴けると嬉しいです。

    https://gatapasya.blog.fc2.com

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    1. がたぱしゃさん、納車おめでとうございます!
      ブログ拝見しました。
      かっこいいですね、銀色がきれいで、
      バンディットから色がつながっているみたいで、いいですね。
      私のブログが少しでも参考になったなら、とてもうれしいです。
      どうぞこれからもよろしくお願いします。

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